ブックワームのひとりごと

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精神疾患の人間同士がダンスで成長していく―『世界にひとつのプレイブック』

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あらすじ・概要

双極性障害(躁うつ病)でトラブルを起こし、妻のニッキから接近禁止命令を出されたパット。情緒不安定になることを繰り返しつつも、妻とよりを戻すことを夢見ている。そんな中、パッとはティファニーと出会う。彼女はセックス依存症だった。ティファニーに「ニッキへ手紙を届ける」と言われたパットはダンスコンテストにおいて彼女に協力することに。

 

精神疾患の人間にプロモーションした方がいい

精神疾患の描写がリアルですね。パットは常にテンションがおかしくて、ときに暴力的になります。ティファニーは唐突と言っていいほど急にセックスを誘い、距離感のおかしさを醸し出しています。

そしてふたりの周りを支える家族も、精神疾患を持つ彼らを恐れながら、どうにか支えたいと模索しています。支える側の家族も完璧ではなく、失敗をしてしまいます。それでもパットの父親は一緒にスポーツの試合を見ようとするなど、どうにか解決策を探ろうとします。

これふわっと恋愛ものとしてプロモーションするよりも、精神疾患やその家族にアプローチした方がいいのではないでしょうか。

 

精神疾患を単純に「かわいそう」という感じで描かないところも、好感を持ちました。精神疾患の人間ってめちゃくちゃ面倒で、性格が悪い。でもそれは、病気がさせている部分が大きいです。だからと言って、パットやティファニーから離れていった人間が戻ってくるわけでもありません。そのやるせなさが作品に漂っていました。

 

しかし、半分予想はついていたことではあるんですが、結末が恋愛至上主義すぎます。いや、結ばれるふたりがいるのはいいんです。でもそれがすべてを解決したように描くのはどうなんですか?

そもそも精神疾患はある日けろっと治るものではないし、ふたりとも結婚生活の失敗から病を得てしまっているので、そこで恋愛に救いを求めるのは逆に心配です。

 

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