ブックワームのひとりごと

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敵だらけでもないしドロドロしすぎてもいない―松山ルミ『新卒で”給食のおばさん"になりました~女の園は敵だらけ~』

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新卒で“給食のおばさん”になりました ~女の園は敵だらけ~ 新卒で給食のおばさんになりました (コミックエッセイ)

 

あらすじ・概要

調理師学校を卒業した後、病院の給食を作る仕事に就いた著者。そこは、体力仕事と女同士の付き合いがあふれていた。B型をいじめるお局様、親切だけどクールな先輩。慣れない仕事に四苦八苦しながら、著者は給食の作り方を学んでいく。

 

いいところも悪いところも描く塩梅がいい

こんなタイトルだけれどそこまで敵もいないしドロドロしてもいません。いや、いびりがあったり噂話があったりドロドロの要素はあります。しかし著者が登場人物のいいところも悪いところも両方描いているので、嫌な感じはしないんですよね。

バランス感覚がとてもいい表現です。

特に暗いけど親切な先輩のキャラがいいんですよね。気配もなく立っているところが面白いし、仲良くなって見ると案外人間味がある、というのがギャップ萌え。

 

給食の仕事は、力仕事が多かったり味付けが難しかったり、いろいろ大変です。面白かったのは皿洗いのシーンですね。洗う機械に器を送る人と並べる人に分かれるんですが、ベテランの器のさばき方がすごい、というのがかっこいいです。皿洗いにかっこよさを感じるなんて……。

 

職場でひたすら料理をしているのに、家で作るのはズボラ飯ばかり、という著者にも少し笑ってしまいます。でも現実はそんなもんだよな!

そして合コンに行くと結婚願望のある男性に受けがいいっていうのも笑います。作っているのはズボラ飯なのに。

少しズボラ飯レシピもついています。

 

なかなか知る機会のない職種なので、興味深い情報が多かったです。お仕事エッセイ

 

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