あらすじ・概要
盗賊、凛雪鴉(りんせつあ)の用心棒をしていた殺無生(せつむしょう)は、剣術の大会劍聖會に参加することになる。そこで剣の力を認められ、人殺しではない人生を歩みたいと願うが……。殤不患(しょうふかん)が自らの名前を名乗る男と出会う話との二本立て。
人を食ったような展開が面白い
ひっでえ!!!! 殺無生編を見終わった瞬間叫びたくなってしまいました。
「普通の人生を歩めるかも」と一瞬でも思った人間をどん底に突き落とす凛の外道っぷりがヤバすぎます。あまり簡単にキャラにクズとか言いたくないんですが、凛は迷いなくクズ野郎と断言できます。
しかしよく考えたらあれで殺無生の罪が清算されたらそれはそれでおかしいし、劍聖會がなくなったことで得する人もいっぱいいるんですよね。ただ単にぶち壊しただけではない話になっています。
しかしこういう人を食ったような展開をするのがサンファンの魅力ですよね。普段はチャンバラ+シンプルな筋のアクションものなんですが……。キャラクターも視聴者もさらっと裏切ってしまう、そのためらいのなさよ。それでいて、キャラ崩壊はしないんだからすごいです。
二本立てのもう片方である殤不患編はほっこりする内容でよかったです。殤不患を名乗る男のポンコツっぷりが笑えるし、そんな男に懐深く接する殤不患がかっこいいです。人たらしだなあ。
殤不患と出会うことによってあの男は自分自身と向き合い、アイデンティティを見つけるために一歩を踏み出せたのだと思います。いい話でした。
しかし殺無生編との落差がひどい。こっちがあとに流れる設定でよかったですね……。殺無生編が先に流れていたらめちゃくちゃ後味の悪い作品になるところでした。