ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

12歳の不良少年たちが死体を探して線路をたどる―『スタンド・バイ・ミー』

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

スタンド・バイ・ミー     

 

あらすじ・概要

12歳の悪ガキ四人組は、森の中に行方不明の少年の死体があることを知り、それを発見しようと線路をたどる冒険を始める。死体を発見すれば街のヒーローになれる。主人公ゴーティは物語を書く才能を持ちつつも、自分自身に自信が持てないでいた。友人のクリスは彼を励まし、作家になる夢を諦めないよう助言する。

 

 

人と人の格差と友情を描いた作品

作中のどこを切り取っても美しい映画です。アメリカの田舎、雄大な自然の中で4人の少年たちが線路を歩いている。それだけでぐっとくるものがあります。

 

実は一度見たことのある映画なんですが、大人になったからか注目する部分が変わってしまったなと思います。

12歳くらいというのは、自分の進路を考え始める時代です。頭のいい子も悪い子も分け隔てなく遊んでいた時期から、何となく知力でグループが分かれていく時代。否応なく自分の実力に向き合わざるを得なくなっていきます。

この作品は分かれ道にたどり着いた少年たちの物語でした。

エモいなんていう陳腐な言葉で表したくはありません。これは人間の間にある格差を描いています。

でも格差の中でもちゃんと友情があったという事実は、美しいものです。

 

しかしやっぱりこの作品は映画より小説の方が好きですね。私がキングのことを好きと言うのもあるんですけれど。

ゴーティの創作者特有の七面倒くさいモノローグが読めるのは小説版だけ! 興味があったら読んでみてほしいです。

あとこの作品ではゴーティは「親に愛されていない」と思い込んでいますが、小説版ではそうではないということが明かされるシーンがあります。救いはあるんですよ!