ブックワームのひとりごと

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発明家が水を食べ物に変える機械を作ったら空から食べ物が降ってきた―『くもりときどきミートボール』

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くもりときどきミートボール (吹替版)

 

あらすじ・概要

冴えない発明家、フリント・ロックウッドはある日水を食べ物に変える機械を発明した。しかしその機械は手違いで雲の上に。雨を食べ物に変換し、町にはハンバーガーが降ってきた。サーディンばかり食べていた町の人々はそれを見て大喜び。フリントは、毎日食べ物を町に降らせることになるが……。

 

パニック映画だが最後はハッピーに終わってくれてよかった

子ども向けのハッピーなコメディと思っていたら、真面目にパニック映画をやっていて怖かったです。

食べ物って基本的にポジティブなもの、人を楽しませるものとして描かれることが多いと思うのですが、その食べ物が「人類の脅威」となっていく過程で気味の悪いもの、得体のしれないものに変わっていくのがすごく恐ろしかったです。

見た後は食欲がなくなるので、飯テロ映画だと思って見ない方がいいでしょう。

 

「空から食べ物が降ってくる」というテーマに伴う人間の弱さも、リアリティがあって気まずい気持ちになりました。

「ただで食べ物が食べられる」ということでフリントの発明にただ乗りしようとする周囲も、変に承認欲求が満たされてしまって冷静な判断ができなくなるフリントも、ありそうな話だと思ってしまいます。

 

でも怖いだけの映画かというとそうではなく、きちんと視聴者に伝えたいことを提示しているところもよかったです。

家族の絆、自分の過ちの責任を取ること、テクノロジーに伴うモラルなど、いくつものテーマを説明過多にならずに書きこなしている脚本はすごかったです。

そして最後に伏線を回収してハッピーエンドになるところも、今までの怖い描写もあってほっとしました。

 

子ども向けでは名作として結構人気があるらしいですが、その評価もなるほどなと思える作品でした。