ブックワームのひとりごと

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あのころのインターネットと小説家の虚実入り混じる日常―乙一『小生物語』

小生物語 (幻冬舎文庫)

 

あらすじ・概要

インターネットのHPで日記を書き始めた作家、乙一。しかしその内容はどんどん虚実入り混じるようになる。映画を見たり漫画を読んだりする日々や、同業者との交流の中に唐突に挟まるファンタジー要素。フィクションのようなノンフィクションのような日記。

 

あのころのインターネットを感じて懐かしい

学生時代好きだった本なのですが、内容を忘れてしまったのでこの度読み返してみました。あのころのインターネットがすごく懐かしかったです。

個人ホームページ全盛期、こうやって日記を公開している作家も結構いました。今はあまり想像つかないノリでしょうね。

内容は「漫画を読んだ」「映画を見た」「仕事をした」という感じで、読んだところで

何かの役に立つことはありません。でもこの意味のなさ、メッセージ性のなさが心地よかったです。疲れているときにだらだら読みたいタイプの本です。

この本を読んで、私はついつい何事にも意味を求めがちだけど別に求める必要はないかもしれない……と思いました。

 

「嘘日記」と評する人がいるように、この日記には大量のフィクションが混ざっています。ソファを買ったら謎の少年が現れたり、ファンレターを開封したら爆弾が出てきたり。

そのせいで内容がどこまで本当かはまったくわからないんですが、そもそもインターネットの胡乱な日記ってそんなもの、本気で受け取るものではないからこれでいいと思いながら読みました。