あらすじ・概要
海外旅行をしていた著者は、それがきっかけでイスラム教徒の男性と結婚することになる。神を信じる男と信じない女、文化の違いは大きくて……。コミカルな描写ながらもイスラーム文化と日本文化を比較するコミックエッセイ。
私たちと違った倫理で生きる人たちの話
描写される文化は日本人の感覚からするとかなり倫理のないものもあります。婚前交渉すると村八分のようになったり、男尊女卑だったり。
しかし著者の夫やその家族は、当たり前のようにその文化を受け入れており、(不信心な方である著者の夫さえも)神の存在を疑いません。
神を信じるゆえに、喜捨の行動もためらいなく取ります。貧しい人に食べ物を上げたりお金に困っている身内にお金をあげたりします。
相手からの見返りを期待しているのではなく、施しをした人には神から何かが与えられる、という信仰です。
私は不信心な人間ですが、神が人に報いてくれる、だからこそ喜捨を行うという純粋さはまぶしいですね。
作品の序盤で、著者の夫が「無神論者って神をも恐れぬ怖い人たちだと思っていた」と言っていたのが印象的でした。
もちろん男女平等は大事ですし、イスラーム文化に思うところはありますが、だからといってこちらの文化を押し付けるのも何か違うような気がします。
「そういう人もいる」と受容しなければ始まらない部分は大いにあると思います。