あらすじ・概要
漫画家・イラストレーターの細川貂々と専業主夫のツレの間に生まれた息子、ちーと君。小学6年生になった彼は突然中学受験をしたいと言い出す。戸惑いながらも、夫妻は息子の受験勉強を応援するために奔走する。
本人がやりたいことをどう応援するか
お受験の話というと、「子どもにいい学校に行かせたい」と意気込む保護者のに気おされて、ちょっと距離を置いていたんですが、この本は楽しく読めました。
まず親がいい学校に行かせたいからではなく、子どもが「中学受験をしたい」と言い出したところから始まります。当時は小学6年生の一学期が終わったころ、細川貂々夫妻は中学受験について全く準備をしておらず、息子のその発言に焦ります。
しかし「本人がやりたいと言うならばできるかぎりの協力をしよう」と家族3人で中学受験に取り組みます。
模擬テストやプレテストの点数に一喜一憂したり、すねて勉強をしなくなる息子にいらだったり、「受験勉強を応援する」と言っても楽しいことばかりではありません。
さらに受験塾に行かなかったため、ちーと君の勉強は夫のツレさんが見ていました。
しかし息子、ちーと君が全く勉強の習慣がなかったところから、机に向かい勉強ができるようになり、何度も勉強を投げ出しそうになりながらもまた受験勉強をする姿には励まされました。
受験に受かってそれで終わりではなく、受験を通して子どもがどう成長していくか、そして親が子どもの夢を叶えるためどういう協力ができるか、考えさせられる作品でした。