あらすじ・概要
レーシングカーのマックイーンは、ひょんなところから田舎町に迷い込み、そこでのトラブルから道をきれいにすることを命令される。もうすぐトップの車を決めるレースが行われる中、しぶしぶ舗装作業を始めたマックイーンは、少しずつ周囲の人たちになじんでいく
いけ好かないキャラクターの感情の変化が上手い
「都会っ子が田舎に来て田舎のよさを知る」というストーリーはベタでしたが、描写の上手さが光る作品でした。
主人公マックイーンはいけ好かないやつで、周囲をナメ切っています。彼が徐々に田舎町の車たちに心を許し、本音で話せるようになります。
マックイーンが周囲をナメているときと、本音できちんと話すときの、表情や声の演じ分けがよかったです。似たようなことを言っていても、文脈ががらりと変わります。
これは映画ならではの表現ですね。
そして、この世界では生き物が全て乗り物の姿で描かれているので、SF的な新鮮味がありました。食べ物はガソリンを初めとする燃料、せっけんや洗剤の宣伝と同じような感覚で錆び取りのCMが流れます。
レーシングカーであるマックイーンの走りを見るのも、全員車です。スタジアムがどういう構造をしているのか不思議です。
きかんしゃトーマスのような、人間と知性のある乗り物が共存するような世界観を想像していたので驚きました。でも、これはこれで興味深いです。
最後は勝ち負けにこだわらない終わり方で、何だかしんみりしてしまいました。強さとは何かと考えてしまう結末でした。