あらすじ・概要
主婦として生活している女性は、夫側の家庭の複雑さゆえに、一気に6人もの老人の介護を一気にすることになる。自由奔放な彼らに振り回されながらも、必死に日々の世話を続ける。しかし、徐々に体の限界を感じるようになる。
早く福祉に頼ってほしいが人間について考えてしまう面白さ
結論から言うと「こうなる前に福祉に頼ってほしい」としか言いようがないですが、それでも面白かったです。
周囲の人間ももっと主人公が抱え込んでいることを気にしたほうがいいです。どう考えても過労になりますよ、これは。
とはいえ、「介護は嫁の仕事」という思い込みがあるのは社会の責任でもあります。だから「この漫画がだけがおかしい」とは言えません。
作中で詳細は語られていませんが、著者の夫に実の両親と育ての両親がいるため、著者は義理の両親が二組いることになっています。
しかし、そういう複雑な家庭が存在すると想定していないところは、システムの問題です。実際のところ、ややこしい家庭に育った人はそれなりの割合います。そういう人が親世代が介護の必要な状況になったとき、手助けする方法を考えておくことは大事です。
人間と人間の関係としてはろくでもないなと思いますが、家族との情は理屈では割りきれないところがあります。主人公が入院したときに、ジジババたちからかけられた声に考えさせられました。
さくっと縁を切ることができるならこれほど悩まないでしょう。
家族が無理せず高齢者と付き合えるように、社会の方が支えなければいけないと思いました。