あらすじ・概要
子どもの頃の幼馴染由里子が好きだった恒は、成長してから彼女に再会する。由里子はサラ金に追われ、万引きを繰り返していた。由里子を何とか助けたい恒は奔走した。そこで由里子とかかわる男たちや、由里子の家庭環境の深い事情を知る。
痴情のもつれがすごいが、納得のある展開
男主人公が今の彼女を振って別の女のところに行くし、ヒロインにも元カレがいます。少女漫画的な絵柄とは裏腹に痴情がもつれています。
しかし、ストーリー上説得力のある描写なので、あっさり受け入れられます。
子どもの貧困、犯罪、虐待……由里子はいろいろな問題を抱えたヒロインですが、こういう子いるよなあという女性でもあります。
無感動、無気力でいた由里子が、少しずつ人間らしさを取り戻していくのが面白かったです。
愛が人間を救う価値観はヤンキーっぽくはあるんですが、こういう救われ方をするキャラクターもいていいかなと思います。
由里子と同居していた男性や、由里子の元カレも、当て馬やお邪魔キャラというだけではなく魅力的なキャラクターでした。
特に父親とうまくいってなかった男性が、終盤で自分なりに努力してある結果を勝ち取ったのは感動しました。人間的な成長を感じます。
みんな、人を恨んだり傷ついたりする中で、それぞれ成長していくのがよかったです。
物語がごちゃごちゃしているというマイナス要素はあれど、どんどん読み進められる漫画でした。