『発達障害のいま』で紹介されていた参考資料です。
書籍概要
発達障害の人々は、普通の人とはとは違う認知を持っている。建築家のガウディと作家ルイス・キャロルを例に挙げ、「認知の偏り」が生み出す才能について語っていく。彼らの見ている世界はどう違うのだろうか。
認知の偏りが創造性を生み出す
この本では、認知のタイプを「視覚優位」と「聴覚優位」に分け、それぞれについて解説しています。
視覚優位の人は、絵や映像など目で見て理解するのが得意で、聴覚優位の人は、文字や言語で理解することが得意です。発達障害の人は、どちらかに大きく偏っていることが多いとのこと。
認知の偏りはなかなか文字を書くことができない学習障害や、特定の感覚への過敏さなど、生きづらさに影響を及ぼします。しかし、認知の偏りは人と違った発想をする大きな可能性でもあります。
それをガウディとルイス・キャロルという二人の人生から見ていくのは、エキサイティングで面白かったです。
発達障害と診断を受けた人だけでなく、クリエイティブな活動をしている人全般に読んでほしい本です。
果たして自分はどっちだろうか
読んでいて思ったんですが、私は確実に聴覚優位のほうですね。
絵を描くのは好きなんですが、立体的に描くのが苦手です。しかし、illustratorを使うようになって書きやすくなりました。それはillustratorが「パス」と「塗り」を平面的に重ねて絵を描いていくツールだからでしょう。
ルイス・キャロルの言葉遊びへのこだわりや、相貌失認(人の顔を覚えられないこと)は自分を見ているようでした。
誰かについてものを書くときも、相手の外見に言及すること難しいです。「青年」「お年寄り」ぐらいの情報しか書けない。こういうところに外見への優先度の低さが表れています。
文中に書いてあることを「あるある」と思ったり、「ないけどあの人はそういうところがある」と感じることそのものが楽しかったです。
まとめ
発達障害の本ではありますが、発達障害に興味のない人にも面白く読める興味深い本だと思います。
「ひょっとして自分は人と見え方が違うのでは?」と思う人なら楽しめると思います。
天才と発達障害 映像思考のガウディと相貌失認のルイス・キャロル (こころライブラリー)
- 作者: 岡南
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/09
- メディア: 単行本
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