ブックワームのひとりごと

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戦後を家事労働にかけた女中の半生 吉村きよ『女中奉公ひと筋に生きて』感想

女中奉公ひと筋に生きて

とあるブログでおすすめされて気になった本です。

 

あらすじ

貧しい家の暮らしから奉公に出され、女中となった筆者。結婚した相手には駆け落ちされ、一人で子どもを養わなくてはならなくなった。生きるために女中奉公をし続けた女性の自伝。

 

戦後すぐの生活がよくわかる

戦後の農村でどんな生活をしていたのかわかるのがよかったです。

村で何かイベントがあると、地元の名士は使用人にお金を持たせ、ご祝儀にするのが新鮮でした。この時代も金持ちは、お金を使うのが仕事のうちだったんですね。

あとこの時代は使用人へのセクハラがひどいですね。着替えを覗かれる、体を触られる。はては手籠めにされる。今だったら慰謝料をたんまりもらえるレベルです。

よく「昔は豊かだった」という人を見ますけど、こういう話を聞くと絶対過去には戻りたくないな……としみじみ思います。

使用人同士の愚痴の要素は、あまりにも現代と変わりがないので笑いました。やっぱ同僚の愚痴はいつも似たような内容になるんでしょうかね……。

 

あふれる身内自慢

しかし、内容が自分自慢身内自慢なところがあるのでたまにイラッと来ましたね。

過去の自分の話をするとしたら、よっぽど自分を客観的に見れる人でないかぎり、何の自慢もしないのは無理な気がするので、こんなものと割り切るしかないかもしれません。この人と同時代の人だともっとイラッと来そうな気がします。

それを置いておけば面白かったです。女中にフォーカスした本というのはあまりないので、参考になりました。

うらやましいとは一切思わないけれど、自分とは違う時代に生きた人の生活を垣間見れました。こういうところがエッセイや自伝の面白いところですね。

文章もよくまとまっていて読みやすいと思います。難しい言葉はそれほどありませんでした。

 

まとめ

ちょっと自慢な要素が多かったけれど、読みやすく面白かったです。

「女中ってどんな仕事だったの?」という疑問を持っている人にはいいと思います。

女中奉公ひと筋に生きて

女中奉公ひと筋に生きて

 
女中がいた昭和 (らんぷの本)

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