今日の更新は、『高慢と偏見とゾンビ』です。
小説の方の『高慢と偏見』を読んだら見てみたかった作品です。
あらすじ
ゾンビが徘徊する世界。地主階級に生まれたエリザベスは、ビングリ―とダーシーという男性に出会う。エリザベスはゾンビを倒すことを第一に考えるダーシーの高慢さに、反発を持つのだが……。
出オチを大真面目に作った映画
出オチそのものの作品で、もうそれだけで怖いもの見たさで見る人いると思うんですが、見てみるとなかなかどうしてしっかり作ってありました。
あらすじはきっちり『高慢と偏見』を踏襲していて、原作のテーマである「固定観念にとらわれているふたりがそれを解消して結ばれる」という要素もそのままです。
細かいツッコミどころはちょこちょこあるんですが、しっかり『高慢と偏見』を読み込んだ内容となっています。「パロディはな、遊びじゃないんだよ!」という気概を感じました。プロのやる二次創作という感じがします。
反面、『高慢と偏見』のあらすじを知らないとわかりにくいのでは……と言う部分もありました。そこも含めて「二次創作」かなと思います。
一方で、結構改変された部分もあって、キャサリンが女傑に変更されているのは面白かったです。眼帯はずるい。あとリディアとウィカムの駆け落ちについてもかなり違います。
終わり方もビターな原作とは違って、ハッピーエンド路線になっています。ここは、よりエンタメ寄りにするための工夫でしょう。
その改変も、それほど違和感を感じる者ではなかったのでよかったです。
もうひとつよかったのは、ビジュアルの美しさと面白さです。
かわいいドレスの裾からナイフ取り出してゾンビと戦ったり、舞踏会が突然ゾンビに襲われたりするのは、時代的整合性は置いておいて「絵になる」んですよね。
若干展開に無茶があっても、この絵になるシーンがあるから「細かいところはいいか……」という気分になってきます。
この見た目の面白さだけでも見る価値がありました。
ネタにしかならないアイデアを全力投球でやっているところにはとても好感が持てます。
最高のパロディ映画でした。
まとめ
穴のないタイプの映画ではないんですが、出オチを全力でやっているところは大好きです。最高のプロによる二次創作でした。
『高慢と偏見』のファンで、心が広い方はぜひ。