今日の更新は、武者小路実篤『愛と死』です。
あらすじ・概要
小説家である「私」は友人の妹夏子に出会う。はつらつとして生命力にあふれた夏子に、「私」は惹かれていく。「私」はパリに渡ることになり、帰国後に夏子と結婚するという約束をした。洋行中に手紙のやり取りをするふたりだったが……。
とにかく夏子がかわいいよ
1939年(昭和14年)の小説なのにすごく現代的でびっくりしました。一文が短くて、改行が多いので読みやすいです。昔の文章という感じがしません。
それに何より、ヒロイン夏子が普通にかわいいんですよね。この時期の小説って女性の描写が聖女すぎたり毒婦すぎたりあまりリアリティがないなと思うことが多いんです。しかしこの作品はどこかにいそうで、なおかつ魅力的な女性を書いています。
お転婆で、はつらつとして、生命力にあふれた女の子の描写が本当にかわいいですし、そんな夏子にぞっこんに惚れている「私」も愛しいです。
ちゃんと女性の精神、生き方をしっかり愛しているので読んでいて恋路を応援したくなります。
ストーリー自体はベタで、特筆するところはありません。男が女の子に出会って恋に落ちて……という話です。しかしこういうベタな話を文章力でしっかりまとめてしまうところが、強い小説でした。
本当に読みやすかったので、普段あまり本を読まない人にもとっつきやすいかもしれません。
『愛と死』まとめ
昔の小説でこんなに「女の子かわいかったな……」と思ったのは初めてかもしれません。やっぱり女の子は最高だな!
とにかくかわいい女の子を求めている人におすすめです。
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