今日の更新は、荻原規子『西の善き魔女1 セラフィールドの少女』再読感想です。
あらすじ・概要
セラフィールドに住むフィリエルは、領主の舞踏会に参加した。そこに母親の形見の宝石をつけていったことから、ロウランド家のユーシスとアデイルに問いただされる。その宝石は、出奔した王女エディリーンのものだった。
失ったものが多いけれどふたりなら大丈夫
舞踏会のシーンが美しいです。きらきらのガウン! 豪華な食事! さざめく娘たち! ここで貴族に声をかけられるというのはロマンチックなんですが、そう簡単にはいかないところがこの作品です。
フィリエルが舞踏会に行ったことによって、明かされる両親の過去。信頼していたご近所さんも、とても難しい立場に置かれていました。世界がぐるぐる変化していき、混乱しながらも自分の足で立とうとするフィリエルはかっこいいですね。
フィリエルはすごく地に足のついた女の子なところがいいと思います。年相応に浮かれたり、かっとなったりするんですが、基本的にはしっかりしているんですよね。
そんなフィリエルに冷静なツッコミをしたり、逆に「彼を支えなければ」と思わせる幼馴染ルーンは必要な存在なんだと思いました。
いや本当、幼馴染キャラとして完璧なキャラなんですよね、彼。フィリエルとルーンは心の深いところでしっかりつながっています。そのつながりがある限りは、ふたりは大丈夫な気がします。
いろいろなものを失ってしまったけれど、とりあえずここから進むしかない。これからの予感に満ちた第一巻でした。
『西の善き魔女1』まとめ
久しぶりに読んでも面白かったです。思い出補正を抜きにしてもいい小説ですね。
続きもぼちぼちと読み返していきたいです。