ブックワームのひとりごと

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ウイルスの発見から感染の仕組み、未来への展望まで―岡田吉美『ウイルスってなんだろう』

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ウイルスってなんだろう (岩波ジュニア新書)

 

あらすじ・概要

さまざまな感染症を引き起こし、人間の脅威であるウイルス。しかし、ウイルスを発見し研究することによって、科学は大きな進歩をしてきた。ウイルス発見の科学史から、ウイルスの特徴の奇妙さ、ウイルスがもたらした技術などを紹介する、学生向け分子生物学本。

 

ウイルスは必ずしも「悪」ではない

コロナ禍なので感染症関連の本を読んでみようシリーズ。 

 

序盤は高校生物くらいの難易度なんですが、後半に行くにつれてどんどん難しくなっていきます。やっぱり目に見えない世界の話は想像するのが難しいですね。

あととにかくカタカナ語が多いので覚えきれません。これは著者のせいではなくて生物学界隈の問題ですけど……どうにか漢字で文字を当ててくれませんかね?

 

そんな感じで難しくはありましたが内容としては面白かったです。なんとなくウイルス=悪いものという偏見があったんですが、ウイルスがもたらした科学の進歩も多くあるということがわかって考えを改めました。

ウイルスの発見によって遺伝子に関する研究は大いにはかどり、さまざまな発見がなされました。ウイルスはただの自然の一部であり、いいとか悪いとかないんだなあ。

 

研究が進んでいるという「食べるワクチン」の構想も面白かったです。果物や野菜を食べると、ワクチンの効果があるように遺伝子組み換えする計画です。

食物がワクチンになると、普通のワクチンより保存がしやすいですし、何より注射の手間がいりません。手間が減ります。

私もインフルエンザの予防接種は苦手だから実用化してくれませんかね。

この記事を見ると日本でも研究されているようです。

gm-edu.sakura.ne.jp

 

ウイルスについて自分が知らないこと、偏見を持っていたことを教えてくれたいい本でした。

ウイルスってなんだろう (岩波ジュニア新書)

ウイルスってなんだろう (岩波ジュニア新書)

  • 作者:岡田 吉美
  • 発売日: 2005/04/20
  • メディア: 新書
 
遺伝暗号のナゾにいどむ (岩波ジュニア新書)

遺伝暗号のナゾにいどむ (岩波ジュニア新書)

  • 作者:岡田 吉美
  • 発売日: 2007/03/20
  • メディア: 新書