古い本でAmazonの在庫がないみたいだからツタヤのリンク貼っておきます。
あらすじ・概要
致死率20%の病気として世界中で猛威を振るってきた天然痘。その天然痘を撲滅するために、WHOはチームを組んだ。その一員だった著者が、各国での撲滅活動の経緯を振り返る。人類の歴史に残る「科学の勝利」の内容とは……。
ワクチンは結局人海戦術なんだよ!!
この間読んだ『人類VS感染症』に載っていた本です。
入手困難のようだから、お近くの図書館にあれば探してみてください。
子ども向けでありながらわかりやすくまとまっていてよかったです。仕事で疲れた日でもさくっと読めてよかったです。
WHOのなりたちや、国同士のいさかい、撲滅の立役者についても簡単ではありますが触れられていて、天然痘の撲滅についてダイジェストにわかるようになっています。
しかし、サブタイトルにもあるように天然痘の撲滅は「国際医療協力の勝利」ではあるんですが、そこに至るまでものすごく泥臭い人海戦術があったことがわかりました。
天然痘が存在する国の隅々まで天然痘患者がいないか調べ、いれば周囲の人にワクチンを打ち、また次の天然痘患者を探しに行く、という気の遠くなるような作業です。
しかもときには国同士の戦争に巻き込まれ、活動が妨げられてしまうこともあります。
「勝利」というものはふたを開けて見ると非常に地道な努力でできているんですね。
実際のところ新型コロナウイルスでもワクチンの接種は人海戦術だろうし、結局フィジカルなのかもしれません。医療は体育会系……。
ちょっと文章が簡単すぎて大人には読みづらいところはありましたが、さくっと読むのにはいい感染症関連本でした。