あらすじ・概要
無口で気弱な少年、ユージンは、地下鉄で不思議なゴーストたちと出会う。彼らに貸しを作ったユージンは、ゴーストたちの集まり「アンダーワールドオフィス」の仕事を手伝うことで貸しを返すこととなる。彼らは悪夢を見ている人を探し出し、それにかかわるゴーストの問題を解決していく。
シナリオが押しつけがましくなくて上品
短めのノベルゲームで、しっかりプレイすれば1日で終わりそうです。
面白いのはLINEのようなメッセージアプリ風の画面をしていることで、タップすることでふきだしが表示され、話が展開していくところです。
メッセージアプリ風のノベルゲームは初めてやったんですが、思ったよりも読みやすかったです。立ち絵の下にせりふのウィンドウが出るノベルゲームは、話が面白くてもかったるくなりがちでした。このゲームはそれとは違って本当にさくさく進められました。
前のシーンを読むのも上にスクロールするだけでよくて、便利でした。
それから脚本が面白く、かつおしゃれ。
ひとつひとつのせりふは大して長くなく、淡々としているんですが、そこからにじみ出てくるようなキャラの設定、過去を感じます。これ絶対書かれている以上の設定があるやつだ……。
そして「死」を多く扱ったシナリオなのに、感動を押しつけるようなことはせず、クールさを持っています。
読者に物語をアピールしつつ、それが嫌らしくなく自然にまとまっていて、上品なんですよね。
キャラクターも本当にかわいくて、学校でなかなかしゃべれず言葉に詰まりがちな主人公ユージン、厳しいけれど根は優しいボス、いつも「近頃の若い者は……」という話をしがちなおばあさんゴーストジョアンなど、よりどりみどりでした。
キャラクターの性格はストーリーを追うだけでサクッと頭に入ってきます。それでいてちゃんと人間としての深みがあります。
分岐はそれほど多くはないですが、今のところちゃんとした攻略サイトがないので自力で回収しなければなりません。短いので周回はそれほど苦ではないんですが。
セーブデータがひとつしかないのがちょっと面倒です。
短いけれど内容が濃くて本当に面白かった! おすすめです。
フリーゲームやインディーズゲームの独特の雰囲気が好きなら楽しめると思います。