ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ドイツ

『イスラームからヨーロッパをみる 社会の深層で何が起きているのか』内藤正典 岩波新書 感想

あらすじ・概要 今、ヨーロッパでイスラーム教徒排斥の渦が巻き起こっている。ヨーロッパはなぜイスラームとの共生に失敗したか、イスラーム教徒の出身国では何が起こっているのか。ヨーロッパに偏った報道を批判しつつ、ヨーロッパとの軋轢を目の前にしたイ…

北欧神話を元にしたオペラをオリジナル要素を交えてコミカライズ―池田理代子・宮本えりか『二―ベルンクの指輪』

あらすじ・概要 青年ジークムントは、敵の部族の長の妻の女性ジークリンデと恋に落ち、関係を持ってしまう。そのことを怒った婚姻の女神が主神ヴォーダンに進言し、ジークムントは殺されてしまう。しかしヴォーダンの娘ブリュンヒルデはジークリンデを助け、…

ノーベル賞受賞者たちが子どもの疑問に答える―ベッティーナ・シュティーケル『ノーベル賞受賞者にきく子どものなぜ? なに?』

「どうして1たす1は2なの?」「パパとママはどうして働かなきゃいけないの?」子どもの素朴な疑問に、ノーベル賞受賞者たちが回答。普段何気なく生活している社会の、さまざまな謎に迫る。

国際結婚した女性が、語学学校に通いながらドイツ文化に触れる―白乃雪『とつげきドイツぐらし!』

あらすじ・概要 国際結婚し、ドイツに移住することになった著者。語学学校でドイツ語を学びながら、ハンブルグの町で暮らしていく。目の当たりにしたのはドイツ文化と日本文化の違いだった。ドイツ人の興味深い習慣や、クリスマスや新年などの年中行事まで、…

「魔女」を治療しようとした16世紀の医者の謎解き―槇えびし『魔女をまもる。』

あらすじ・概要 16世紀、魔女狩りの嵐が吹き荒れるドイツ。そこでひとりの医者が魔女を治療しようとしていた。ヨーハン・ヴァイヤーは、魔女と呼ばれる女性たちの奇行を「病気」なのではないかと思い、魔女と噂される老女や人狼に襲われた事件を調査する。精…

現実を拒み浪費を繰り返した国王―『ルートヴィヒ』(ルキノ・ヴィスコンティ)

今日の更新は、ヴィスコンティの映画『ルートヴィヒ』です。 あらすじ ドイツの領邦のひとつ、バイエルンの国王ルートヴィヒ2世が即位した。彼は芸術に耽溺し、浪費を繰り返す。おりしもプロイセンがドイツを統一しようとしている中、バイエルンはオースト…

独裁政権指導者の父の影に惑い悩む子どもたち―タニア・クラスニアンスキ『ナチの子どもたち 第三帝国指導者の父のもとに生まれて』

今日の更新は、タニア・クラスニアンスキ『ナチの子どもたち 第三帝国指導者の父のもとに生まれて』です。 あらすじ・書籍概要 ナチス政権が崩壊したあと、その指導者の家族はどうなったのか。子どもたちを追跡し、彼らの行動から「親の罪を背負うとはどうい…

少年兵への憎悪と庇護の間で揺れる軍人がつらい『ヒトラーの忘れもの』感想

今日の更新はドイツ・デンマークの映画『ヒトラーの忘れもの』です。 Amazonからビデオのクーポンをもらったのと、週末100円セールがあったのでレンタルを買ってみました。 あらすじ WWⅡ終結間もないデンマーク。捕虜になったドイツの少年兵たちが、砂浜で地…

ちびででぶな少年が、お父さんと旅がらす ウルズラ・ウェルフェル『火のくつと風のサンダル』再読感想

昔好きだった本を読んでいくシリーズ。今回は子どものころ好きだった児童書。 あらすじ ちびでふとっちょのチムは、誕生日プレゼントにお父さんとの旅をプレゼントされる。夏休みに徒歩で旅に出た二人は、靴を修理しながら村や町を渡っていった。お父さんは…

強制収容所を生き延びたユダヤ人医師の記録 ヴィクトール・フランクル『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録』再読感想

書籍概要 ナチス・ドイツ政権下、ユダヤ人として強制収容所送りになったヴィクトール・フランクル。過酷な環境に苦しむ一方で、医師らしい冷静な視点で収容所を俯瞰する。アウシュビッツを生き延びた男性の手記。

エリート街道から脱落していくまじめな少年 ヘルマン・ヘッセ『車輪の下で』再読感想

あらすじ 猛勉強の末、神学校に合格した少年ハンス。しかし、神学校になじめず、評判の悪い友人とつるむようになる。ハンスは、ストレスにより行動もおかしくなり始める。やがて学校を去ったハンスは、故郷に戻ってくるが……。

二人はベルリンで外国人になる 小栗佐多里&トニー・ラズロ『ダーリンは外国人 ベルリンにお引越し』感想

久しぶりに著者の本を読みました。 デザインがちゃんと引き継がれているのがうれしいです。 あらすじ 「一度くらいは海外で暮らしてみよう」と、ベルリンのミッテ地区で暮らし始めた著者二人。ミッテ地区のアートな建物や店を楽しみつつ、ドイツ特有の困りご…

国立国際美術館「クラーナハ展 500年後の誘惑」行ってきたレポ

クラーナハ展に行ってきました。 www.tbs.co.jp 展覧会概要 ヴィッテンベルクの宮廷画家として名をはせたクラーナハ。多作な彼は多数の作品を残しました。彼の背徳的でエロティックな女性描写はさまざまな時代の人を魅了しています。国内外からクラーナハの…

突撃となりの宗教教育 藤原聖子『世界の教科書でよむ<宗教>』感想

ちくまプリマー新書は中高生向けの新書レーベルなのですが、なかなか侮れないです。 書籍概要 高校の倫理教科書の編集に携わっている著者が、各国の宗教教育の教科書を集め、比較します。その国で「宗教」とはどのように学ばれているかを通して、日本におけ…

ヒトラードイツに帰る 『帰ってきたヒトラー』感想+少し解説(ネタバレあり)

急に映画が見たい気分になって『帰ってきたヒトラー』を見に行きました。 意外とおじさまたちが多かった。 今回はネタバレも含むので続きからでワンクッション置きます。 映画『帰ってきたヒトラー』予告編

ナチス・ドイツを転覆しようとした男 『ワルキューレ』感想

『ワルキューレ』を見ました。 ドイツ専攻だったのでドイツ関連の映画は結構見てますが、これは実は未見でした。早く見ておくんだったなあ。 ワルキューレ プレミアム・エディション [DVD] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2009/07/24 メディア: …

人がゴミのように死ぬ時代 『シンドラーのリスト』感想

『シンドラーのリスト』を見ました。ずっと見たかったんですけど機会がなくて(主にレンタルショップで出会えなかった)dtvで再配信されたのを「チャンス!」と思って見ました。 シンドラーのリスト スペシャル・エディション [DVD] 出版社/メーカー: ジェネ…