ブックワームのひとりごと

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1巻完結の恋愛漫画おすすめ7選

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読んだ1冊完結の漫画の感想もたまってきたので、今回はそのうち恋愛漫画のおすすめをまとめました。

 

女の子を落としたいがゆえにピンボールにハマる『FLIP-FLAP』

高校を卒業するときに思いを寄せていた女の子、山田に告白した深町。彼女が付き合う条件として出したのは、ゲームセンターにあるピンボールで、驚異的なプレイヤーである「UFO」のスコアを超えること。なりゆきでピンボールを始めた深町は、徐々にゲームにのめり込んでいく。

何かに勝利すると女の子が得られる、いわゆるトロフィーガールの文脈なんだけれど、トロフィーガールにありがちな、「強い俺に惚れてくれる美少女」的ないやらしさは感じないところがいいです。

最初は女性目当てだった主人公が、スコアを追ううちにピンボールの面白さに目覚め、そして「ピンボールが好き」であるヒロインについて理解を深める……。という描写が丁寧でした。

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お盆の一日を繰り返す街での淡い恋『盆の国』

お盆に帰ってくる先祖の姿が見える少女、秋。ある年の盆、秋は自分が8月15日を繰り返していることに気付く。戸惑う中で、声をかけてくれたのは夏夫という青年だった。秋は夏夫とともに、15日から脱出する方法を探す。しかし夏夫には、ある秘密があった。

ほのぼの系と予想していたら思っていたよりホラーでした。いや、ほのぼの要素もありますが。繰り返していた平和なお盆の風景が次第に不穏になっていく感じにはぞわぞわします。

ストーリーとしては女の子のひと夏の冒険、そして初恋。最後の夏夫とのシーンは予想はしていたんですがそれでもきゅんとしました。この年頃だと大人がすごく魅力的に見えて、でも大人は別世界の人間だということはわかっていて……。まあ夏夫は別の意味で別世界の人間なんですけど。叶わない初恋ほど美しいんですよね。

 

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ヤマタノオロチ伝説をもとにした祭りととび職の恋『天顕祭』

とびの若頭、真山は最近雇った女性のとび、木島が低いところを恐れていると知る。彼女は故郷で「天顕祭」のクシナダヒメに選ばれ、儀式に携わる予定だった。しかしその儀式が不穏なものであると察した真山は、木島を追いかけて彼女の故郷に向かう。たどり着いた深い穴の中にあったのは、天顕祭の秘密だった。

ストーリーの筋となるのはふたつで、ひとつは天顕菩薩を祀る神社で行われる天顕祭の秘密の話です。この世界は「汚い戦争」で毒に侵されており、住める地域が限られています。これはどうやら放射能汚染を意識しているっぽい。

そして、もうひとつの筋が、真山と木島のラブストーリーです。といっても、天顕祭のほうがメインでこちらはそれほど濃いテーマではないのですが、そのさりげなさが逆にいい。

この、甘くはないけれど確かにふたりとも強い愛があるところが最高にときめきました。

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天顕祭

天顕祭

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食べることに罪悪感を持つロボットと人食い種族の女性『20XX』

ある星に賞金稼ぎにやってきたロボットのジャック。そこで出会ったのは、人食い種族の少女だった。求婚されたという勘違いから、彼女はジャックの子どもをつくろうとする。しかしジャックはロボット。どうあがいても子どもはできないのだが……。

ジャックは自分のことを人間だと思っていたころ、餓死で仲間を失いました。閉じ込められて持っていた食料を折半しているうちに、ロボットである自分だけ生き残ってしまったのです。ジャックは「食べること」に対して強い罪悪感を持っており、食欲を失うことを望みます。

そんなジャックの前に現れたのが、人食い種族のルビィ。彼女にとって食べることは非常に神聖なこと。このふたりの対比が、作品の主軸です。食べることに嫌悪感と罪悪感を持つジャックを見ているとこっちまでつらかったです。そんなジャックが、食べることで相手の生を取り込み引き受けていくルビィに、淡い恋のような感情を抱いていくのがよかったです。

後味はあまりよくないですが、宗教的、哲学的意味での「食べること」について考えを巡らせてしまう作品でした。

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美男美女ではないカップルがふたつの国の懸け橋となる『金の国水の国』

長い間いがみ合ってきたA国とB国。そんな二つの国に神のお告げが下った。「A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり、B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい」しかしお互いの国が送りあったのは、犬と猫だった……。

主人公たちは本当に心の優しいふたりで、愛情を積み重ねていく姿が本当にかわいいです。

特にサーラ姫がナランバヤルのために、B国の族長と酒豪対決をするところはかっこよかったです。やさしいだけの女の子じゃなくて、時にしっかり戦えるしっかりした女性最高ですね。

サーラ姫だけではなく、ナランバヤルも衰退していく国を救うためにA国とB国に水路を引こうとします。嫌味なところがなく、「誰かのため」に行動を起こせるカップルでした。

世の中こういう人ばかりなら、きっと幸せでしょうね。

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鹿と人間のちょっと皮肉な結婚『鹿娘清美婚姻譚』

奈良に住む鹿の娘、清美はお金目当てで和菓子屋の息子、善彦とお見合いする。財政難で鹿を世話する鹿の会が困窮しているからだったが、反人間派である兄に猛反対に遭い……。果たして二人は無事に祝言を上げることができるのか。

 

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童貞男が恋愛の神様と一緒に女性と付き合う『恋愛の神様』

31歳童貞の渡良瀬橋渡(わたらせばしわたる)。恋愛にコンプレックスを持つ彼には、「恋愛の神様」がついていた。果たして彼は、思い人里子(りこ)とセックスすることができるのか……。童貞が恋愛に立ち向かい、思いを成就するまでを描いたラブコメディ。

この本、主人公渡が「セックスがしたい!」と連呼する、ヤレるかどうかばかり考えているなど、結構下ネタなんですが、読後感はすごくさわやかです。

その理由は、渡がすごくいいやつだからなんですよね。ヤレそうな雰囲気になっても、女性の事情を鑑みて引くことができる。失敗したら謝ることができる。プロポーズのときは指輪を丁寧に選んでいる。

そしてここぞ! というときには、恋愛の神様は一歩引き、渡に判断を任せるところがいいなーと思いました。神様はアドバイスをするだけ、決めるのは自分。という作品の中のルールに、ある種の優しさを感じました。

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恋愛の神様

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以上です。気になったものがあれば読んでみてください。