あらすじ・概要
悩める人々がたどり着き、一夜の不思議を提供する、不思議なバー。その店主はなんと、ペンギン!? 紳士的なペンギンのバーテンダーは、やってくる人々にお酒を出しながら、客の悩みに答えていく。そのバーでは、やってくるお客も不思議なようで……。
バーの雰囲気が心地いい小説
あまり期待して読んでいなかったけれど結構楽しめました。バーの描写が心地よかったです。
つらい毎日を過ごしているときに、雰囲気のいい飲食店に入って、そこで雑談をして、おいしいお酒を飲んで、また日常に帰っていく。その楽しさがにじみ出ていました。
こうして見ると飲食店ではただおいしい食事を出すことだけではなく、店の外観や雰囲気も含めてお客さんを楽しませ、非日常を味合わせることなのだと思います。一種のエンターテインメントなんですよね。
私はお酒を飲めないけれど、こういう交流があるならお酒も悪くはないなと思えます。
ストーリー自体はちょっと無理やりな部分もあるなと思いましたが、雰囲気を楽しむ小説としてはアリでしょう。
しいて言えば説教臭いシーンを追加するより、もっと雰囲気を楽しむことに特化してくれた方が評価が上がりました。バーっていいな、と思えるシーンを増やしてほしかったです。