ブックワームのひとりごと

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南極で調査をするおじさんたちが食べる「命の糧」―『南極料理人』

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南極料理人

 

あらすじ・概要

海上保安庁で働く料理人、西村は、行く予定だった同僚がけがをしたことから南極探査チームに参加することになる。ペンギンもアザラシもいない南極の奥地で、個性豊かな男たちと共同生活を送っていく。しかし閉鎖空間の中、チームの面々は徐々にストレスを溜めていく。

 

生きのびるための「食べ物映画」

昔見て面白かったので久しぶりに見返してみました。

 

のんびりした雰囲気のコメディ映画なんですが、それと同時に閉鎖空間でのつらさ、人間関係の難しさがさらっと描かれています。

描写してしまえばトンチキになってしまいますが、実際こういう状況に置かれたらしゃれにならないことばかりですよ。水の使い過ぎや、孤独への恐怖、家族との長い離別も。

面白おかしい作品だけれどちゃんと描いているところが好感が持てます。

 

料理がおいしそうな映画はいくつもありますが、ここでの「おいしそう」は普通の映画よりもっと切実な意味を持っています。

自分たち以外誰もいない、極限の世界で、「いつも通りのおいしそうな食事」を毎日続けられることは、精神的にも肉体的にも重要なことです。

登場する、温かみのある美しい料理たちは、映画にする値打ちがあるものばかりです。

 

邦画の傑作と言われるだけあって、見返しても面白かったですね。また内容を忘れたころに見たいです。