あらすじ・概要
じっとしていられない、読み書きや計算が極端にできない、友達付き合いがうまくいかない……。さまざまな問題を抱える発達障害の子どもたち。本人も周囲も、幸せになるにはどうすればいいのか。発達障害を持つ子を育てた著者が語る、「ややこしい子」の教育の未来の本。
発達障害の子どもたちの困難と親の葛藤
わかりやすい答えを与えてくれる本ではないので、結論だけを求める人には向かないかもしれません。しかしだからこそ発達に問題を抱える親の悩みが切実に現れていて胸が苦しくなりました。
発達障害の子どもたちはコミュニケーションが下手だったり、じっとしているのが苦手だったりして、周囲の子どもたちを怒らせることが多いです。
本人の生きづらさが周囲を振り回し、支援する側も疲弊してしまうのには悲しみを感じます。
また、著者は親や支援者が常に先回りをして支援していくのは、子どもが自立するには考えものだと語ります。
いつかは親はいなくなります。障害のない人と同じとはいかなくても、自ら助けを求めたり、配慮を求めたりしなければいけなくなります。
自分のことを自分でやることが目標の、障害のある子ども向けのキャンプの話は興味深かったです。
著者も子どもの発達の遅れをうまく受け入れることができずに、突飛な行動を取ってしまった過去があります。過去に葛藤を経験した人だからこそ、書ける本だと思います。