あらすじ・概要
小説家になりたい女性、青楓は、妹の代わりに後宮に上がることになる。執筆に集中したいのだが、後宮の陰謀に巻き込まれてしまう。皇帝のお召し(肉体関係はない)のこともあり、周囲に嫉妬されたり、反感を買われたりで……。
才色兼備だけど本当に小説家の才能がないヒロインに笑う
主人公が小説家志望というと才能があるんだろうなとなりますが、この主人公は本当に才能がなくて笑いました。話を冗長にするくせがあり、意味もない話に何百ページも費やします。主人公の小説を読んだ人間からはボロクソに言われています。
一方で、小説のための資料を集めた結果、極めてハイスペックな女性になっています。多様な知識を持ち、料理も天才的、ものづくりの才能もあります。
逆にどうして、小説の才能がないんだ……。
とはいえ、すべてが万能なキャラクターだと嫌みになってしまうでしょう。才色兼備だけれど小説家にだけはなれないからこそコメディとして成立します。主人公が絶対つまらないだろそれ……という小説の話をするたびに笑えます。
主人公の設定自体はコメディですが、ストーリーは結構血なまぐさかったです。自分の身を守るために権力を持たざるをえなかった皇帝、そして事件の黒幕。
実質的には知識チートでありながら、シビアなところはとことんシビアです。
ご都合主義とリアルが入り交じる、甘辛な感覚の作品でした。