あらすじ・概要
著者は実家で犬を飼っていた。ももという雑種犬は、大家族に囲まれ、田舎の自然を謳歌し、たくましく暮らしていた。著者もまた、ももの存在に支えられていた。ノスタルジックで愉快な動物コミックエッセイ。
犬ってかわいいという気持ちと昔の犬の飼い方の雑さと
犬ってかわいいよね、というテーマと共に時代の変化を感じさせる作品です。
印象的だったのは犬と子どもとの関係です。この作品では、犬はよき相談相手として描かれています。
両親が忙しく、構ってくれない子どもたちにとっては、犬が相談相手でした。人間の言葉を完全に理解しないからこそ、気軽に相談できます。そしてある程度人の心を察するのが興味深いです。
マヌケでわがまま、でもどこかけなげな犬の姿にほっこりしました。
何分昔の話なので、犬の飼い方が豪快です。平気でリードをつけずに町を徘徊させたり、人間の食べ物をやったり。現代ではやってはいけないことですが、昔話としては面白いです。
こういう時代の記憶もどんどん薄れていくのでしょうね。もちろん犬にとって優しい世界がいいに決まってるんですが。
本家・分家が隣合って暮らしており、ひとつの大家族のように振る舞っているのは、自分では知らない文化なので面白かったです。
地元はよそから来た人が多いので、本家・分家の概念を持つ人があまりいないんですよね。
基本はポジティブで明るい話ですが、よく読んでみると意外な文化があるという漫画でした。絵もかわいくてとても上手いです。