ブックワームのひとりごと

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『海辺のエトランゼ』を見た 自覚のある同性愛者と初めて男性を好きになった人の恋物語

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あらすじ・概要

小説家の卵、駿は美央と出会う。ふたりは惹かれ合うが、駿は自覚のある同性愛者で、美央は初めて男性を好きになった人だった。お互いの思いの差に不安になり、悩む駿と美央。駿は美央がいつか女性を好きになるのではないかと怖くなっていた。

 

ベタだけどアップデートもされているBLアニメ

BLアニメ映画でした。話としてはわりとベタな展開が続きます。同性が好きであることに悩み、異性愛規範に悩み……という話です。

しかしそれほど古くさく感じないのは、他の設定が新しいからでしょう。例えば女性同士の同性カップルが登場し、何だかんだ同性同士で付き合っている人もいる……という世界観の説明になっています。

また、美央が自分に悩んだときゲイバーの女装の男性(トランスジェンダーなのか、女装が趣味なのかは謎)に相談します。

当て馬的に登場する女性キャラクターに関しても、描かれる感情は複雑です。相手に幸せになってほしい。しかし裏切られた、相手が自分を好きになってくれないのが悲しい。その心情がやるせなかったです。

恋愛ありきの関係を結びたいか、そうでないかは人によります。愛情があってもパートナーとして結ばれないこともあるのだと悲しくなりました。

 

初めて同性を好きになった相手に対して、「本気じゃないのではないか?」とあれこれ不安になってしまうのも心が苦しくなりました。きっとたくさんの裏切りを経験しているからこそ、そう思ってしまうのでしょう。主人公の立場の世知辛さを感じました。

 

 

 

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