ブックワームのひとりごと

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少女を乗せてタクシーで逃避行 原田宇陀児『風に乗りて歩むもの』感想

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一巻完結ライトノベルをぼちぼち読むキャンペーン中です。

そんな中の一冊『風に乗りて歩むもの』を読みました。

風に乗りて歩むもの (ガガガ文庫)

風に乗りて歩むもの (ガガガ文庫)

 

あらすじ

ジェットコースター乗車中に行方不明となった遊園地経営会社のお嬢様。タクシードライバーであり私立探偵のボギィは、古い友人に頼まれて、事件の関係者である少女を家まで送り届けることに。しかし二人はなぜか命を狙われており……。

 

クトゥルフ+ミステリー

この作品のモチーフはクトゥルフ神話のイタカ。といってもオカルトだったりファンタジーだったりする要素があるわけではなく、あくまでモチーフとして扱われているだけです。

クトゥルフ神話は派生作品しか読んだことがないんですが、クトゥルフとミステリの組み合わせは初めてだったので新鮮でした。でもクトゥルフ本編を知らないので、作中の説明だけではよくわからない部分もありました。

不可能犯罪、遊園地でのトリック、犯人の正体など、一筋縄ではいかない内容で、頭を使いました。いろいろ考えられているなあと思います。

 

おっさんと少女の逃避行

もう一方の物語の柱がボギィとグラニッドのおっさん+少女の逃避行。はっきりとした恋愛要素はなく、さわやかにお別れするのがよかったです。こういう話は一部の需要があります! 私とか。

ただあまりにも内容が硬派でハードボイルドなので、ライトノベル以外のレーベルで書いたほうが売れたかもしれない……と思ってしまいました。言ってもしかたがないことですが。

若干せりふが唐突だったり、展開が無理やりだったりしたので、そこが洗練されたらもっと面白かっただろうなと思いました。でもテーマや題材は好きなので、次回作があれば読んでみたいです。

 

まとめ

ライトノベルらしからぬ硬派な内容で、あんまり売れる気はしないんですが、テーマが好きなのでこれからも頑張って次回作出してほしいです。

ラニッド可愛いです。

 

ぼくたちが本当にシタかったこと (ガガガ文庫)

ぼくたちが本当にシタかったこと (ガガガ文庫)