図書館で上映会があったので、「天王寺おばあちゃんゾウ 春子 最後の夏」を見てきました。
天王寺動物園は保育所のころから何度も行っていて、映画の中でどのように描かれるのか興味がありました。
この映画はテレビ大阪の社会活動の一環として製作されているため、こうして無料での上映をしているそうな。
映画概要
60年も天王寺動物園で飼育されてきたゾウ、春子。彼女は2013年の夏ごろから炎天下の外に出るのを嫌がり始めます。徐々に衰えていく体と戦う春子と、彼女に寄りそう飼育員たちを描いたドキュメンタリー映画。
動物を飼育する人は動物に話しかける
印象的だったのは、飼育員たちがゾウの春子に人間のように話しかけること。
炎天下の運動場に出ていくのを嫌がる春子に「仕事やからがんばろうな~」となんとかなだめすかして出ていかせるのがかわいかったです。
しかしこれ、私が自宅の猫に話しかけるのと同じノリを感じます。動物を長く飼っていると、動物に話しかけるのは普通になりますね。
春子のほうが年上なので、若手の飼育員はなめられるらしく、怒鳴らないと寝室から出てくれないようで大変そうでした。
かなりの暴言を吐くので、このシーンは苦情が来たらしいんですが、本当に嫌だったら外に出ないし、「ここまで怒るんやったらしょうがないから出たろか」という春子なりの譲歩なのではないか……という話でした。
最後まであきらめられない飼育員たちの葛藤
話が進むにつれて春子は弱っていき、ついに自力で起き上がれなくなります。ゾウは寝転がったままだと死んでしまう生き物なので、飼育員たちは必死で起こそうと試みます。
「立てなくなったら安らかに看取ってやりたい」と考えていたにもかかわらず、いざ立てなくなってしまうと、「少しでも長く生きてほしい」と思ってしまう飼育員の皆さんの葛藤が痛いくらいに感じられてつらかったです。
春子の死因は老衰で、ある意味幸せな終わりと言えなくもない。それでも死にゆく春子が目の前にいたら抗ってしまう。これは目の前で春子と一緒に暮らしてきたからこそなのかなあと感じました。
悲しい話ではありますが、飼育員たちが春子に寄り添おうとしたことで、彼女も救われたんじゃないかなと思います。
上映後には監督&カメラマンのトークあり
上映後に監督とカメラマンが少しトークをしてくださいました。映画の中には入らなかったネタも聞けて良かったです。
最初は春子の死までを撮影する予定はなく、30分の番組の予定だったそうです。それがこういう映画になるのだから縁というのは不思議ですね。
最後に質問も受け付けてくださって、非常に作り手と観客の距離が近い上映会でした
今回は監督とカメラマンでしたが、図書館によっては飼育員が来てくれることもあるそうです。ゾウ好きの子どもにはたまらないシチュエーションかもしれません。
まとめ
悲しい話ではありましたが、飼育員の皆さんがどんなふうにゾウと向き合っているのか感じられて、新鮮な映画でした。
これからも複数の図書館で上映会があるので、気になる方はチェックしてみてください。
日にちはこちらのリンクに載っています。
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