エンディングを読んでから、表紙とカラー扉を見ると何だかさびしくなってきます。みんな旅立って行ったんですねえ。
あらすじ
最後の戦いに向かう鬼虫と甲虫たち。決して交わらない信念を抱え、どちらかが倒れるまで終わりはありません。一方、叶葉や鴇子もそれぞれの因果を清算するときがやってきていました。
寂しいけれどハッピーエンド
すべての伏線を回収し、きれいにエンドマークがつきました。デビュー作でここまで構成が美しいまま終わるのが驚きです。六巻からの怒涛の展開はそのままに、今までのキャラクターを総動員して群像劇の様相を呈していくのは非常に熱かったです。
失ったものはあまりにも多く、完全無欠のハッピーエンドではないですが、キャラクターたちがそれぞれの因果を清算し、新しい人生に向かって歩み始めた希望のあるエンディングでした。
平和のためには兵器は必要がない。ということは、この物語は八洲が本当に平和になって九曜たちを必要としなくなるまでの物語なんですね。
朧と九曜の最終決戦が泥臭いアレなのもよかったです。メカバトルものなのにあんなもので決着をつけるとは思いませんでしたよ。逆に面白かったけど。あのシーン映像で見てみたいです。
主人公二人、かわいすぎかよ
感想を書くたび毎回言ってますけど叶葉と九曜がかわいすぎます。
ただ、純粋にきゃっきゃうふふしているのがかわいいだけじゃなくて、「自分が相手に何ができるか」ということを常に考えている二人なので、読んでいて気持ちがいいし応援したくなります。
一方は兵器、一方は何の力もない人間。しかし二人は対等で、お互いに支えあっているのが美しいです。
この二人なら、どんな困難にも立ち向かって生きていけるだろうと思えるエンディングでした。
でもこの二人告白もしてないしキスもしてないんですよね……展開上はくっついていないという。なぜなんだ! そこも好きです!
ようやく巡り合った竜胆と巴の、気心が知れている同士ゆえの雑な会話もときめきます。この二人もっとしゃべっているところ見たいです(※最終巻)
まとめ
スタンディングオベーションしたいくらいの見事なエンディングでした。なぜこのシリーズは(比較的)有名でないのでしょうか……。
短編集を読んだら本当にこの作品とはお別れです。さびしいですね。
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