ブックワームのひとりごと

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めちゃくちゃだったゼロ年代の消費者金融事情―宇都宮健児『消費者金融―実態と救済』

消費者金融―実態と救済 (岩波新書)

今日の更新は、宇都宮健児『消費者金融―実態と救済』です。

 

あらすじ・概要

長引く不況とともにはこびってきた「サラ金」、今で言う「消費者金融」。いくつものCMが流れるそれの、何が問題なのか。消費者金融によるさまざまな手口を紹介し、多重債務の作り方を語る啓発本。

 

18年前の本だけれど面白い

この本は2002年の出版ですが、今読んでもなかなかためになります。

私が中学生ぐらいだったゼロ年代、テレビには大量に消費者金融の広告が流れ、大きな看板が「ご利用は計画的に」としゃべっていました。子ども心に「なぜこんなに金貸しの広告が流れているんだろう」と考えていましたが、この本を読んで腑に落ちました。

消費者金融は意図的に多重債務を作り出し、債務者に利子を納めさせて荒稼ぎし、そのお金でテレビに広告を出しまくる。そしてまた新たな債務者が生まれる……という悪のサイクル。これが許されていた時代があったということが驚きです。

「野蛮」というのはすぐそばにあるのだなあと再確認。

 

今は過払い金請求が一般的になり、消費者金融のCMもずいぶん大人しいものになりました。この本とは違う現状になってしまったので全部真に受けることはできません。しかし「そういう時代があった」という意味で興味深かったです。

現在は現在でTwitterで「お金貸します」とツイートする個人がいるなど、別の闇がまた存在しています。(参考:ねほりんぱほりん闇金回)お金に対して賢くなることは、いつの時代も重要ですね。

自己責任論の嘘 (ベスト新書)

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