あらすじ・概要
大学進学をきっかけにひとり暮らしを始めた塔子。しかし家に置いてある、体重計や電子レンジ、掃除機が勝手にしゃべり始める。彼らは塔子の彼氏面をし出し、何かと塔子の私生活に口を出すようになる。塔子は個性豊かな家電たちに翻弄される毎日を送る。
家電(ガチの家電)に彼氏面される女性向け小説
イラストには美麗な擬人化キャラが添えられているんですが、あくまで本文中では家電は家電であり、人間の姿をしていません。
つまり塔子は文字通り家電に彼氏面をされています。
ある意味人外×人間ものだと言えるのかもしれませんが、相手が家電なのでロマンチックさのかけらもありません。塔子に彼氏っぽいものができそうになると「家電に例えるとどんな感じ?」と聞くし、機能をディスると機嫌を損ねます。
シュール。
それから、主人公の塔子がありがちないい子ちゃんのキャラではなく、年相応にドジだったり愚かだったり欠点があるところが愛しいです。友達に見栄を張ってしまったり失言をしたり。人間味があって好きです。
私は逆ハーレムがそんなに好きじゃないんですけど、こういうひねりを加えたハーレムは逆に好きなんですよね。ヒロインがうらやましいとも思わないしムカつきもしない、げらげら笑って本を閉じられる作品でした。
こういうトンチキ作品女性向けでもときどき出してほしい。