あらすじ・概要
現代日本の同性愛者はどのような不利益を被っているのだろうか、同性愛者が受けた差別に関する法廷闘争を取り上げ、異性愛中心の価値観に対する疑問を投げかける。同性愛者は、「異常な」存在なのだろうか。日本における「見えない差別」を考える本。
紹介されている差別の実例がきつい
紹介されている同性愛者への差別が嫌な気持ちになるもので悲しいです。こんな理不尽な扱いを受けることもあるんですね。
同性愛者の人たちはその間でエイズが広まったことで厳しい偏見にさらされます。しかし異性愛者でも野放図な関係を持てば性感染症の可能性は高くなるわけで、性別の組み合わせの問題ではないはずです。誰に恋愛感情を抱くかは関係なく性感染症対策はなされるべきですよね。
公的宿泊施設の同性愛者団体への差別もきつかったですね。その場の当事者がどんな思いをしたかと考えると心が痛みます。
同性愛への社会の対応や時代や文化によって一定しません。日本には同性愛者について宗教的なタブーが少ない一方、「存在しないものとして振舞え」という圧力は強いです。同性愛者が表に出てきて政治的な発言をすることに理解が薄いです。
また、多様な性のありかたがあるという価値観が生まれたことがいいことですが、「ファッションや立ち振る舞いが女性的なだけで、性自認は男性で恋愛対象は異性」という人間も安易なカテゴライズに巻き込まれることもあります。
同性愛と異性愛、と言うタイトルではありますが、著者がゲイであるためその記述は男性同性愛者の話題に偏っています。そこは著者も認めるところです。
レズビアンの話は他の本を読んだ方がいいでしょう。
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