ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

たらし王子と生きている薬の恋愛模様がかわいい―三田千恵『トリア・ルーセントが人間になるまで』感想

トリア・ルーセントが人間になるまで (ファミ通文庫)

今日の更新は『トリア・ルーセントが人間になるまで』です。

私事ですが、いったん完成まで書いた記事が消えてショックです。もうやだ!!

 

あらすじ

ジンドランの王子ランスは、病気の王を助けるために薬の取引に向かう。そこで出会ったのはトリアと護衛のロサ。トリアは、生きている薬だった。ランスは、ロサに「トリアと恋をしてほしい」と頼み込まれるが……。

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ひたすら露悪趣味、でも結構好き―稲庭淳『ラン・オーバー』感想

ラン・オーバー (講談社ラノベ文庫)

今日の更新は、稲庭淳『ラン・オーバー』です。

表紙と中身の雰囲気が全く違います。

 

あらすじ

転校生、湊里香に秘密を握られた伊園は、言われるがままに同棲生活をスタートさせる。彼女は、クラスのいじめの頂点にいるカップルに反撃することを提案した。それが暴力と侮蔑の渦に飛び込む始まりだった……。

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大人たちの子どもっぽさが気になる―縹けいか『モーテ 夢の狭間で泣く天使』感想

モーテ ‐夢の狭間で泣く天使‐ (MF文庫J)

今日の更新は、縹けいか『モーテ 夢の狭間で泣く天使』です。

 

あらすじ

アミヤがモーテを発症し、自傷行為を行ってしまう。ダンテは、ローマに向かってアミヤの世話をすることに決める。しかし、モーテの症状は、徐々にアミヤをむしばんでいき……。

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優しい子どもたちに病が襲い掛かる―縹けいか『モーテ 死を謳う楽園の子』感想

モーテ ―死を謳う楽園の子― (MF文庫J)

今回の更新は『モーテ 死を謳う楽園の子』です。

こういうサブタイトルしっくりこないなあ。「死を謳う楽園に子がいる」なのか、「死を謳う子が楽園にいる」のか、わからなくないですか?

 

 前巻の感想はこちら。

honkuimusi.hatenablog.com

 

あらすじ

小説家としてデビューしながら、次作を書けなかったダンテは、グラティアという施設で働くことになる。そこは、モーテと呼ばれる病気の患者が収容されるホテルだった。モーテにかかった子どもたちは、若いうちに自殺をしてしまうのだ。モーテの子どもたちと、心を通わせていくダンテだったが……。

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情念全部のせラブストーリー―縹けいか『モーテ 水葬の少女』感想

モーテ ―水葬の少女― (MF文庫J)

今日の更新は『モーテ 水葬の少女』です。

そういえば最近ちゃんとライトノベル読んでないな! と思って久しぶりに入手しました。

 

あらすじ

若いうちに自殺してしまう「モーテ」という奇病がある世界。サーシャは、ドケオーと呼ばれる孤児施設に送られる。そこで出会ったマノンという少女と仲良くなるにつれ、ドゥドゥというフォスター(養育者)が気になっていくのだが……。

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古代日本で日の神と水の神が争う 香村日南『蛇神の祈り』感想

蛇神の祈り (小学館キャンバス文庫)

蛇の話を読むシリーズ。

 

あらすじ

古代の大和(奈良)。そこでは水の神を奉じるものと、日の神を奉じるものとの争いがあった。誉田大王(ほむたのおおきみ)の息子として生まれた稚彦王子は、死のうとしている少女と出会うが……。

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男二人の掛け合いが楽しい 野村美月『アルジャン・カレール 革命の英雄、或いは女王の菓子職人』感想

アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈下〉 (ファミ通文庫)

 上巻の感想はこちら。

honkuimusi.hatenablog.com

 

あらすじ

女王の菓子職人アルジャン・カレール。劇作家のオーギュストは彼になつき、あれこれ話をする。あるとき女王の権力の後ろ盾であるバルトレオンが敗走し、フロリアは戦争の危機に陥る。

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滅びゆく人類の中に生まれたつぎはぎの怪物 日日日『ビスケット・フランケンシュタイン 完全版』感想

ビスケット・フランケンシュタイン〈完全版〉 (講談社BOX)

好きだった本を読み返すシリーズ。でも完全版は読んだことがありませんでした。

 

あらすじ

体の一部が謎の物質に置き換わる奇病が蔓延する世界。患部をつぎはぎにした人形は、自我に目覚めた。ビスケという名を得た怪物は、徐々に荒廃していく世界をさまよう。生まれてきた目的を求めて――。

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元軍人の菓子職人が劇作家と出会う 野村美月『アルジャン・カレール 革命の英雄、或いは女王の菓子職人 上』感想

アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈上〉 (ファミ通文庫)

『陸と千星』のあと、もう少し野村美月の読み切りが読みたいな、と思ったので電子でぽちっと買いました。

honkuimusi.hatenablog.com

 

 

あらすじ

革命のあと、再び女王が政権を取り戻したフロリア。万年スランプな劇作家のオーギュストは、小さな菓子屋を見つける。そこにいたのは、菓子職人アルジャン・カレール。オーギュストは、アルジャンの菓子屋に通い始める。

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吸血鬼と人間が夏時間を一緒に過ごす 石川博品『ヴァンパイア・サマータイム』再読感想

ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫)

好きだった本を読み返すシリーズ。『ヴァンパイア・サマータイム』を読んだのは結構最近なのに、かなり内容を忘れていてちょっと悲しかったです。

 

あらすじ

吸血鬼と人が共存する世界。両親の経営しているコンビニで働くヨリマサは、毎日紅茶を買いに来る吸血鬼の少女が気になっている。会話するようになったふたりは、小さな事件を経て仲良くなっていく……。

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