今日の更新は、荻原規子『西の善き魔女8 真昼の星迷走』です。
あらすじ・概要
異色の女王候補フィリエルは、この世界の管理者フィーリに候補として認められていない。女王のバードはフィーリに成り代わることができるらしいが、それには赤ん坊に生まれ変わったバードを育てることが必要だった。かくしてバードと旅に出たフィリエル。一方ルーンは、もうひとりのバードとつらい旅路を強いられていた。
何もわからないまま大変な目に遭う主人公かわいそう
少女だった当時はあまり考えていなかったのですが、だいぶフィリエルとルーンが置き去りの話でしたね。
科学技術から生まれたバードはふたりにバンバンSF発言をしますが、作中の人間は機械やテクノロジーへの知識がないのでまったくちんぷんかんぷんなんですよね。わけがわからないうちにバードの生まれ変わりを助け、フィーリと対決しています。作中人物にとってわけのわからない話をキャラクターの魅力と世界観設定で押し通してしまうところがすごいですね。
でもこの巻は何もわからないまま大変な目に遭う主人公ふたりに同情してしまって、ハッピーエンドをかみしめることができませんでした。
そりゃ、読者はわかるけどさあ……。
◎ここからネタバレ◎
バードを刺したのに何か生きてるしもうルーンにとっては混乱の極みでしょうね。この巻はルーンに強く同情してしまいます。
幼子を抱えてたくましく一人旅をしたフィリエルは頑張りました。フィリエルが突然赤ん坊を連れて来たときの宿屋のおじさんとの会話には笑いましたよ。処女懐胎がうっすらこの星に伝わっているんですね。
バードがフィーリとなって、フィリエルが女王候補と認められ、ストーリーは落着。これを思うとやっぱり5巻で一旦完結扱いになっているのは中途半端ですね。
ここまで読まないとこの世界の真実にはたどり着かないので、事実上8巻も本編です。