ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ホモソーシャルなロマンの陰でたくさんの人が死んでいる―『ヴィンランド・サガ』(アニメ版)

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

【Amazon.co.jp限定】ヴィンランド・サガ Vol.1 [DVD Box](全巻購入特典:名シーン&名セリフ絵柄全巻収納BOX + オリジナル特典ディスク + 全巻購入メーカー特典:原作・幸村誠氏 描き下ろしキャンバスアート(F3サイズ) 引換シリアルコード付)

 

あらすじ・概要

アイスランドで生まれたトルフィンは、アシェラッドというヴァイキングに父親を殺される。トルフィンはアシェラッドの船団に勝手について行き、アシェラッドに決闘で仇討ちするために彼に協力する。そんな中アシェラッドたちは、イングランドで大きな博打に出ることとなり……。

 

原作つきアニメのよさを知った

原作はレンタルコミックで途中まで読んでいます。

今まで原作のあるアニメにあまり興味がなかったんですが、これを見て「原作つきのアニメ」の意味が分かった気がします。解釈が深まる……。

この作品、男同士の微妙な感情がよく描かれているのですが、アニメになったことでちょっとしたしぐさ、目線などにそういう感情が込められていてより伝わってくるようになりました。

なるほどこれが原作つきアニメの魅力。

 

ヴィンランド・サガという作品、とても野蛮でホモソーシャルなんですけど最終的には「ホモソーシャルなロマンの陰で、たくさんの人が死んでいる」という話なんですよね。だからこそ安心して見られます。「男のロマン」をむやみに肯定しない。

 

完全な原作再現アニメではなく、ストーリーの順番を入れ替えたりオリジナルエピソードを入れたりしています。その部分も違和感がなく、ほどよい改変でした。

特にトルフィンの子ども時代のシーンが追加され、初めて人殺しをするトルフィンが描かれたのはエグかったです。野蛮さが増しました。

 

ただラストの描き方はちょっとしつこかったですね。原作はもっとあっけなかった気がします。あっけないほうが残酷さが強調されて好きでした。

 

ところでアニメで見返してみると「男同士の巨大感情」が多発していることに気付きました。さほど女性人気がないのが不思議です。登場人物の過半数がおっさんだからだめなのでしょうか。