ブックワームのひとりごと

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『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』竜田一人 モーニングコミックス 感想

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いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 (モーニングコミックス)

 

あらすじ・概要

福島第一原子力発電所での廃炉作業に興味を持った著者は、原発の作業員として働き始める。過酷な原発における労働と、作業員同士の友情、放射能をめぐるあれこれ。廃炉作業の最前線を描き出す。

 

 

原子力発電所の廃炉作業に行ってみたらすごかった

分厚い防護服を身にまとい、熱中症の危険と戦いながら、廃炉作業に従事する人々。リアルでひりつくような状況に、心を奪われます。

廃炉作業と聞いても、具体的にどういうことをしているのか想像がつかない人がほとんどだと思います。壊すためにさらなる工事をするという不思議な状況に、他の建築物とは違うものを感じました。

被ばくを防ぐため何重にも服を着こむため、漫画の中でも繰り返し着替えのシーンが描かれます。いかにも面倒くさいので大変そうです。しかし被ばくしないためのルールなので律儀にやっています。

 

原発作業ではなくても、こういう肉体労働をやっている人は、情報発信が少ないです。建設現場独特の文化や、やり取りが面白かったです。

ブルーカラーの人々の持つ、力あふれる雰囲気と猥雑さ、生々しいながらポジティブな語りが興味深かったです。

終盤では原子力発電所の廃炉作業に使われているロボットについても触れられています。過酷な廃炉作業においてどこかユーモラスなロボットが良かったですね

 

しかし、作業員が偶然こんな漫画が上手いことありうるのだろうか? と思っていたら、もともとコンビニコミックで実話系のマンガを描いていた人のようです。そんな人が原発の廃炉作業に興味を持ち、行ってみた、と。順序が逆なわけですね。

 

一方で、腹立つな……という言い回しがところどころにあります。意図的にけんかを売りたいのでなければ、もう少し話し方について考えた方がいいと思います。

違う価値観の人はなめてかかってもよい、と思っているような態度が鼻につきました

 

 

 

 

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