ブックワームのひとりごと

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『フランス語っぽい日々』じゃんぽ~る西・カリン西村 白水社

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フランス語っぽい日々

 

あらすじ・概要

日本人漫画家とフランス人記者の夫婦は、今は日本で暮らしている。ふたりはフランスと日本の異文化を交互にエッセイに書く。文化的なすれ違い、子どものバイリンガル教育のこと、時事ニュースのことなど、フランスを知ることができる一冊。

 

交互に描かれるエッセイで文化を知る

日本人の漫画家とフランス人の記者との夫婦が、交互にエッセイを描くシリーズ。

 

漫画は主にフランスと日本の文化の違い、息子へのバイリンガル教育のことを描いています。

フランスに住んだことがあり、フランス人と結婚したにもかかわらず著者はフランス語が苦手です。しかし漫画家としてフランスで活動する上で、フランス語の問題は避けては通れません。自分の頭の悪さに苦悩しながらフランス語を学ぶ著者は面白かったです。

 

対する伴侶は、フランス人の記者であり、日本語も達者です。エッセイはフランス語の文法や単語にまつわる内容が多いです。

基本リベラルな人だとは思いますが、突然「こういう人はだめ」という価値観を披露するのに驚きました。特に「女性は除毛・脱毛をしなくていい」という政治的主張への嫌悪感には驚きましたね。

実は私も肌が見えない服装のときはまめに除毛はしないですよ。

とはいえ、向こうも日本人にたいしてもどかしい感情を抱いているのでお互い様ですけど。

 

バイリンガル教育については、今のところ成功しておらず、フランス語はわかるのに日本語でしか話さないという子どもになっています。

私も小学校の頃外国にルーツのあるクラスメイトが2~3人いましたが、生まれ育った土地である日本語でしか話せない子は少なくなかったですね。バイリンガルになるにも素質があるんでしょうね。

 

カルロス・ゴーン氏の事件の話も面白かったです。記者として丁寧に調べても、センセーショナルでいい加減な記事の方がフランスで読まれたとのこと。過激なニュースが好まれるのは日本も同じですが、物書きとしてはやるせないでしょうね。

 

知らないこと、新鮮なことが多くて面白かったです。