ブックワームのひとりごと

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魔法の描写が魅力的なライトノベル・ライト文芸おすすめ7選

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古今東西「魔法」をテーマにしたファンタジーは多く、多種多様な設定や世界観が生み出されています。今回はその中でもおすすめ作品をまとめてみました。

 

 

杖職人が謎の素材の情報を調べて古代の真実を知る『竜と祭礼』

師匠を亡くした杖職人イクスの前に、杖を修理してほしいという少女ユーイが現れる。師匠の遺言によりそれを引き受けたイクスだったが、その杖に使われていたのはとんでもない素材だった。杖を修理するために、ユーイとイクスは素材の手がかりを求め、あちこち調べ回ることになった。

世界観としては魔法があって、冒険者がいて……というありがちなものなのですが、「その世界において魔法とは何か?」「なぜ社会は冒険者を必要としているのか?」という設定がしっかり用意されているところが好ましいです。

主人公が魔法使いではなく魔法杖職人なのも味わいがあって好きです。職人の立場から見た魔法への価値観や、杖作りについての迷いや葛藤が面白かったです。

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母の形見の踊る靴を取り上げられて、傍にいるため靴職人になる『シンデレラ伯爵家の靴箱館』

かつて「シンデレラ」とあだ名される女性が王妃となり、靴の生産が盛んになった国。アデルはその子孫であるディセント家に勝手に踊る母の靴を鑑定してもらおうと持ち込む。しかし形見である母の靴を取り上げられてしまう。アデルは母の靴と一緒にいるために、ディセント家のアランが運営する靴工房で働くことになる。

魔法使いは滅びゆく一族であり、わずかな人々がその能力を継いでいる世界。そんな世界で魔法使いにばらまかれた魔法の靴を回収している一族……という独特の世界観が楽しい作品です。

それでいて、ファンタジーとしてだけではなくお仕事ものとしてすごく真っ当なんですよね。

失敗を乗り越え、改善を目指し、報連相の重要さを解く。仕事を頑張るアデルのことを自然と応援したくなりました。

honkuimusi.hatenablog.com

 

入れ替わって魔女になってしまった冴えない少女の成長譚『ワルプルギスの夜、黒猫とダンスを』

新しい靴を手に入れたら、わがままな魔女ベファーナと体が入れ替わってしまった主人公、仮の名はルナ。元の姿に戻るためには、ワルプルギスの夜、黒猫とダンスを踊らなくてはいけないらしい。ダンスが魔法の力を持つ世界で、ルナはベファーナの使い魔、黒猫のノーチェとともに奔走する。

気弱で冴えない主人公が、不思議な魔法と冒険を通して、少し成長する。ジュブナイル色の強い作品でした。

踊ること、魔法を使うことがルナ自身の心理に密接につながっていて、いい意味で世界が狭いというか、どんどん内面世界を掘り下げていく面白さがあります。

踊ることによって発動される魔法のシーンがその象徴で、ダンスの描写とともにルナの心情が示されています。

踊る魔女と音楽を奏でる男たちが暮らす世界で、ルナは誰かを助け、交流をしているうちに新しい自分自身に出会います。内向的だからこそ立ち現れる心の豊かさを感じました。

honkuimusi.hatenablog.com

 

男子高校生と美少女オートマタの間で揺らぐ自我―こまつれい『101メートル離れた恋』

男子高校生のユヅキがある日目覚めると、セブンスというオートマタになっていた。そこは現代社会に似ているが、魔法に満ち溢れた世界。オートマタとしてレンタルされ、男性と性行為を行うセブンスは精神をすり減らしていく。そんな中、セブンスはイチコという少女にレンタルされ……。

魔法が科学技術と同等に普及する世界。人間そっくりのオートマタを作る技術もあり、ファンタジーでありながらSFのような雰囲気です。

主人公が「男子高校生のユヅキ」と「女性型オートマタのセブンス」の間で自我が揺らいでいるところがTSF的によかったです。TS娘と美少女の恋愛物語としても優秀でした。

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ラテンアメリカ風の世界で孤独な少女と奴隷の男が出会う―マサト真希『アヤンナの美しい鳥』

高地に暮らすアヤンナは、ある日奴隷商人に売られそうになっていた異人の男リリエンを助ける。足萎えである男をしぶしぶながらも家に置いたアヤンナだったが、アヤンナの顔にある醜い傷を見ても動じず、尽くしてくれるリリエンに惹かれるようになる。しかしふたりの暮らす王国には、不穏な噂がはびこっていて……。

ラテンアメリカ風の世界で、魔法が使える少女が奴隷の青年と心を通わせていく物語です。文化をベースにした独特の魔法観が魅力的です。

メインの筋としてはアヤンナとリリエンの悲しいラブストーリーなのですが、アヤンナに性知識が全くと言っていいほどないため、幼児の初恋のような雰囲気です。しかしその、性にはっきり目覚める前の原始的な愛だからこそリリエンは居心地がよかったのでしょう。来歴から考えても。

幸せな終わりとはいいがたい作品ですが、ふたりの出会いは、周りに少しだけ救いをもたらしています。悲しいけれど美しい話でした。

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人の世界で生きる妖精たちの、二転三転する事件『霧の日にはラノンが視える』

第七子の呪いを解くため家出してロンドンに向かったラムジー。そこでジャックという青年に拾われる。だがジャックの仲間が殺人を犯し、ラムジーは奇妙な事件に巻き込まれていく。

イギリスの人間社会に魔法が使える妖精たちが暮らしているという世界観。イギリスの雰囲気と、妖精伝説をベースにした設定が面白いです。

妖精たちの関係が割とドロドロしていたり、世知辛い設定があったり、ロマンチックなだけではない生々しさもギャップがあっていいです。

キャラクターも個性的なので、すぐ覚えられます。

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星が人生を決める階級社会で国の中枢に乗り込み社会を変える『天球の星使い きみの祈りを守る歌』

星の力で魔法を使う世界。社会は星の加護を持つ「星の子」と星を持たない「星なし」の階級に分かれていた。星なしの子アステラは、育ての親のロキと暮らしていたが、仕事をしようとしても失敗ばかり。そんな折、星の子たちが学ぶ学院の入学試験に潜入すれば、本当の父親のことを教えてやるとロキに言われる。

主人公はお姫様ではなく身寄りのない少女、それもおかしな不運に巻き込まれている、という出だしは魅力的でした。

また、星や星座をモチーフにした魔法世界の設定が美しく、読みながら自然ときらきら輝く風景を想像できました。星の力を借りて使う魔法、星の力がこもった宝石、設定のひとつひとつがロマンチックで楽しかったです。

階級としては底辺のヒロインが国家の中枢に乗り込み、社会を変えようとする反抗心あふれる展開もガッツがあって燃えました。

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以上です。気になるものがあれば読んでみてください。