ブックワームのひとりごと

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後宮で野球をしたら陰謀に巻き込まれて死にかけました―田井ノエル『大阪マダム、後宮妃になる! 二回戦は熱闘猛虎黎明編』

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大阪マダム、後宮妃になる! 二回戦は熱闘猛虎黎明編 (小学館文庫キャラブン!)

 

あらすじ・概要

皇帝の前で野球の試合を披露することになった蓮華。相手チームとともに練習にいそしむが、そこに自分を毒殺しかかった妃が現れる。彼女を許す蓮華は「甘い」と言われるのだが……一方新しく後宮にやってきた王淑妃に会った蓮華は、その言動に違和感を覚える。王淑妃を「自分と同じ転生者ではないか」と疑った蓮華は……。

 

一ひねりある展開に驚いた

トンチキ大阪人の次はトンチキ東京人が出てきて大笑いしてしまいました。こんな東京人はいないですよ!

いやでも、まともな東京人ではなくトンチキ東京人を出すのは正解だと思います。大阪人だけがトンチキだと大阪人読者の反感買っちゃうからね……。

 

今回の話はこういう風に進むのかな……という予想から一ひねりあり、驚かされました。ただのテンプレ話ではなくなってきていて、今後が楽しみです。

とにかく人間としてモテる蓮華ですが、それをもってしても身分差や、価値観の違いを乗り越えることは難しく、世界観のシビアさが出てきています。

仲良しのキャラクターでも、「ここは譲れない」という部分があるのがいいですよね。

 

(夢の中とはいえ)現代世界との別れを描いたのも印象的でした。こういうくだりって異世界転生やトリップではスルーされがちですから。

こういうシーンを入れることで、「現代社会のことはキャラクターにとって一区切りついているんだな」と読者が納得できるからいいと思います。

 

大したことないのかな、と思っていた悪役が思わぬ形で悪党としての器を見せつけてきたのも怖かったです。山積している課題を考えると、まだまだ話は広がりそうです。続きも楽しみ。