基本的に漫画は完結後まとめて感想を書いているんですが、この漫画は売れて続きが出てほしいので今! 感想を書きます。
少しだけネタバレ(全部ではないですが)なので気にする方は今すぐ買って読んでください。
あらすじ
女性が短命な一族に生まれ、男の子として育てられた葬太郎。彼(彼女?)は謎の生き物にさらわれ、雨の中の館にたどり着く。葬太郎はそこの主であるなめくじの姫君、銀書姫に結婚を持ちかけられた。かくして人となめくじの奇妙な結婚生活が始まる。
ジェンダーあやふや和風伝奇
この作品の、ジェンダーのあやふやっぷりがとても好きです。
男として育てられ、女性らしさを忌避しながらも、自らを「男」だとは言い切れない葬太郎。
一方の銀書姫はなめくじなので雌雄同体、気分や状況によって性別を変えてきます。
そんな男男なのか男女なのか女女なのかわからない恋愛世界が最高に楽しいです。
雌雄同体だからこそ、性別の定義があやふやになっている葬太郎が受け入れられるというシチュエーションがすごく運命的でいいですね。
ある意味運命の人なんですよ、なめくじだけど!
4月2日の更新は印象的でした。
葬太郎の赤手の呪いはどうやら「女性性」に関係があるらしく、蚕神の後継者として衣服を商うつるばみは、その呪いをこう評します。
「これからどんどん幸せになって お嫁さんになってかわいい子どもに会える未来が待ってて…… それはあたくしが 死んでもなれなかったものだわ」
「それは俺が 死んでもなりたくないものだ」
「女になりたかった女の子」と「女になりたくない女の子」を対比して、そのどちらも「呪い」と定義してしまうのが最高でした。
つるばみは自らの「女性性」にこだわるあまりとんでもないことをしています(ネタバレなので伏せる)。
ばけむこの世界観はジェンダーがとてもあやふやだけれど、じゃあ性別があやふやだとみんな幸せなのか? というとそんなこともないのがいいなと思いました。
中身が男であれ女であれ「女の子らしくなりたい」人は一定数いるってことを示してくれるのが誠実でよかったです。
まとめ
どうオチを付けるのか非常に気になるので、なんとか完結まで完走してほしいです。
そのためには、書籍の購入よろしくお願いします! 気になる方はほんと、買ってください。