今日の更新は、八万介助『両親認知症Uターン すっとこ介護はじめました!』です。
あらすじ・書籍概要
49歳で介護ヘルパーになり、介護士としてキャリアを積んできた著者。しかし両親の認知症が進行し、故郷に帰らなければならなくなる。著者がそこで見たのは、混沌とした家の現状だった……。
コミカルに描かれる壮絶な介護生活
コミカルな絵柄で暗くならないようにはなっていますが、なかなか壮絶なコミックエッセイです。認知症になったことでわがまま放題になり、排泄は失敗し、サラダ油をお酒と間違え、夜中に食器を並べだす。
そんな親の介護を、介護士として働きながらこなし、必要であればケースワーカーと相談したり、入れる施設を探したり。本当に忙しいです。
読んでいて思うのは、お金が老後の選択肢を増やすということです。介護施設はすごくお金がかかります。なるべく安く……と思うと施設を選ぶことができません。老後のために2000万円貯めろというのもあながち間違いじゃないんだなあ……(実現できるかはともかくとして)
認知症なのでやっていることはめちゃくちゃなのですが、ふと正気に戻って、家族を気遣うこともあります。その瞬間を見ると、嫌いになることはできないなと感じました。そのほかにも間一髪で認知症の母親が同じく認知症の父親を119番して助けたエピソードなど、ちょっとほっこりする話題が挟まれていることに救われました。
父親をグループホームに入れざるをえなくなったとき、著者は「両親を自分の都合で施設へ動かしているのではないか」と苦悩します。そのような罪悪感があるということは、まだまだ親を慕う気持ちは失われていないのでしょう。そこが切なかったです。
まとめ
かなりハードな内容でしたが、どことなくコミカルで優しいところに救われました。明日は我が身な内容です。
著者に何かいいことありますように。