ブックワームのひとりごと

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『北欧女子オーサ、日本で恋をする』オーサ・イェークストロム KADOKAWA 感想

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北欧女子オーサ、日本で恋をする。 (コミックエッセイ)

 

あらすじ・概要

北欧からやってきたオタク漫画家、オーサは、日本でも恋愛をしてみたいと思う。しかし、日本の恋愛観はスウェーデンとはまったく違うものだった。告白や男性がおごるシステム、家族のあり方などを通して、スウェーデンと日本の性別に対する観念の違いを考える。

 

恋愛から見るスウェーデンと日本のジェンダー観の違い

もっとふわふわした話題かと思いきや、スウェーデンと日本のジェンダー観について突っ込んだ話をしており、面白かったです。

日本よりジェンダー平等が進んだスウェーデンからやってきた著者は、日本の文化に衝撃を受けます。

男性がおごる文化や、離婚や破局に対する考え方の違い、告白の文化など、日本独自の恋愛文化があります。

その文化について、スウェーデン人の著者が驚き、解説をするという形式が面白かったです。

 

表現自体はコミカルであっさりしていますが、よくよく考えたら著者へのセクハラだなあと思う日本人の発言も多いです。

日本で漫画家を目指す著者に対して、「漫画家で就労ビザを取るのは無理だから結婚したら?」と周囲の人は言います。著者は漫画家デビューすることができ、アーティスト向けのビザをもらえました。では、周囲の日本人たちの発言は何だったのでしょうか?

 「お前には就労ビザを取る権利はないから結婚するしかない」と受け取られても仕方のない言葉だと思います。

著者がそのあたりドライなだけで、告発されていたら大ごとになっていた可能性があります。ちょっとおっかないシーンでした。

 

海外のジェンダー観から、日本のジェンダー観も見えてくる。面白いコミックエッセイでした。