あらすじ
猛勉強の末、神学校に合格した少年ハンス。しかし、神学校になじめず、評判の悪い友人とつるむようになる。ハンスは、ストレスにより行動もおかしくなり始める。やがて学校を去ったハンスは、故郷に戻ってくるが……。
ドロップアウトした身にはつらい話
この本を最初に読んだのは大学生のときだったので、そのときはなんとも思わなかったんですけど、学校をドロップアウトした身にはつらい話ですね……。
今までやってきた努力がふっと途絶えて、無気力感に襲われる感じ、体験したことあるなあと思いました。
もしハンスに対して「なまけている」という意見を言う人がいたら、それは人間が無意識に息抜きをしていることに気づいていない人なのだと思います。
ほどほどに手を抜くことを、ハンスは知らなくて、だからこそ周りにつぶされてしまいました。
ときには周囲に流されず、意思を持って「休む」ことも重要だなと感じます。
同姓愛があるけどそれがメインというわけではない
同性愛シーンのある作品として有名だけれど、読み返してみるとそれが本題というわけでもなかったですね。
この年頃の少年少女はやっぱり恋に興味を持つものだし、そのとき女の子より男の子のほうが身近だったから、という感じがします。
ただこのシーンがハンスの閉塞感、閉じた世界を表しているのも事実かなあと思います。
結構長いので気軽にはおすすめしにくいけれど、少女漫画が好きな人は、ルーツのひとつとして楽しめると思います。
ドイツ文学ってなんか少女漫画っぽいよね。(逆です)
まとめ
久しぶりに読んだらぜんぜん内容を覚えてなくて新刊みたいでした。
暗い話ですが、好きな人は好きなタイプの話だと思います。萌えもあるし。
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