今日の更新は、きたみりゅうじ『新卒はツラいよ!』です。
あらすじ・概要
著者は、不況を潜り抜けIT企業へ就職した。しかしそこでは、プログラミングをろくに覚えないまま仕事をし、なぜか社長室に呼ばれ、イベントの担当者になる……などおかしな仕事をさせられる。さらに長時間労働、突然の異動など、一人前になっても周りに振り回される。
自分の努力に報いてくれない場所にいてもしょうがない
「自分の努力に報いてくれない場所で働いても、いいことない」というのが読んだ感想です。
いや、この会社の社長としては、「報いているつもり」なんでしょうね。だからこそ終盤でああいう傲慢な態度になれるんだなあ。
著者に同情するとともに、自分は、おばさんになってもこんな下の人間の気持ちがわからない人間にはならないぞと決意しました。
何度も修羅場を潜り抜けてきた著者は、悪い意味で上司に信頼され、使いやすい駒になってしまいました。おそらくこういう人が、だめな企業を支えてしまっているのでしょう。なまじ有能だからこそ、人の分の仕事を背負ってしまう。
私は頑張ることをやめる
給与分+αの働きだけを淡々とこなし
あとはずっと忙しいフリをして一日を過ごす
(P184)
自分を守るためには、自分に関係ない仕事をサボることも大事です。私も関係ない仕事はほどほどにやっていこうと思います。
若手なのにプロジェクトの運営スキルや新人の教育スキルを得てしまった著者はすごいですが、それでもそういうスキルを平和的に得るに越したことはないですからね。
得てしまった「たくましさ」に苦笑いしてしまいそうです。
きたみりゅうじ『新卒はツラいよ!』まとめ
面白いと言いづらい話ですけれど面白かったです。著者には幸せになってほしい。
プロジェクトを炎上させる企業ってどんなもんかな? と思っている人にはおすすめです。