ブックワームのひとりごと

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『にわか姫大夫の宮中事情~男装女官のお仕事』小田菜摘 ビーズログ文庫 感想

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にわか姫大夫の宮中事情 ~男装女官のお仕事~ (ビーズログ文庫)

 

あらすじ・概要

女性ながらに弓や乗馬をし、男勝りの女性として地元で有名だった梢子。彼女は宮中に上がり、男装の女官姫大夫として天皇に仕えることとなる。そこでは尚侍失踪事件が起きていた。好色な今上帝の求愛を交わしながら、梢子は尚侍の行方についての謎に関わることとなる。

 

事件ものとしての側面が大きい平安ストーリー

男装女官ということでてっきり女性だと言うことを隠して生活するのかと思いきや、その名の通り男装して働かなければならない女官の話でした。

主人公はかっこいい系の女性であり、地元では女性陣にキャーキャー言われる立場です。それなら表紙もかっこいい系のキャラデザにしてほしかったところですが、BLみたいに見えるからだめなんでしょうかね。

 

主人公が鈍感ではなく、求婚されていることに自覚的なため、話が早くて助かりました。かなり早い段階で求婚に乗り気なのもいいですね。

主人公のやりたいこと、考えていることがはっきりしているのでストーリーに集中できます。恋愛ものというより事件ものの様相が強く、主人公たちが典侍失踪の謎を解いていきます。

甘いシーンは少ないですが、主人公もヒーローもいいやつなので、そういう仲になってもおかしくないと感じます。

 

終盤はややこしい血縁関係や主従関係が展開されたため、家系図や登場人物紹介をつけてほしかったです。時代柄、人が役職で呼ばれたり本名で呼ばれたりするので本当にわからなくなります。

主人公周りがさっぱりしていて素直なキャラが多い分、メイン以外のキャラがものすごくだめでドロドロしていましたね。今上帝はほぼほぼヤバい色ボケじじいだし。今まで大変だったでしょうが、結末の後はゆっくり休んでほしいです。