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『「死にたい」と言われたら 自殺の心理学』末木新 ちくまプリマ―新書 感想

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「死にたい」と言われたら ――自殺の心理学 (ちくまプリマー新書)

 

 

あらすじ・概要

「死にたい」と思ったことがある人は人口の2、3割だという。そして全死因の2%は自殺である。死にたいと思ったら、そして親しい人に死にたいと言われたらどうすればいいのか。自殺が起こりやすくなる原因を語りながら、実際に自殺の対策をしていくにはどうすればいいか考える。

 

死にたいと言われたら、何を言ってあげられるだろうか?

自殺については具体的なアドバイスを描いた本が少ないこともあって、面白かったです。

 

友人や家族に「死にたい」と言われたらどうするかの話にかなりページを割いていて、うつ状態やその他の精神疾患に陥ってしまった人とその家族には有用だと思います。支援する側もひとりで解決しようとしないことが大事です。

また、共感的にふるまうことは相手の自殺意図を肯定することではありません。相手のことを否定しないようにしつつ自殺を肯定しないようにしなければなりません。高度なコミュニケーションが求められて大変です。

 

著者は自殺を防ぐためには人を孤独にさせないこと、その上で世間における人付き合いが大事だと説きます、自分は放っておくとずっとひとりでいるため、耳の痛い内容でした。

死なないための関係づくりと言うのは、うつ状態になると困難であるからこそ、平時のときに少しずつやっていかなければならないことなのだと思います。

 

 

 

 

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