ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

米澤穂信

【天才でもサイコパスでもない一般人が、クローズドサークルでデスゲームをしたら】米澤穂信『インシテミル』

あらすじ・概要 べらぼうに高い時給に惹かれて、謎のアルバイトに集った男女。そこではおかしな構造の館で過ごさなければならなかった。殺害を肯定するようなルール、探偵や助手というロールを演じると報酬が上がるシステム。やがて第一の殺人が起こり、デス…

図書委員男子ふたりの謎解きと繊細な友情―米澤穂信『本と鍵の季節』

あらすじ・概要 「僕」こと堀川と松倉は、図書委員の高校生。堀川は、松倉と一緒に学校や町で起こる小さな謎を解いていくこととなる。開かずの金庫の鍵を開け、自殺した学生が読んでいた本を探すなどするうちに、堀川は松倉の態度に違和感を持つ。やがて松倉…

読んでいて人間の愚かさに嫌な気持ちになる短編集―米澤穂信『満願』

あらすじ・概要 殺人を犯した女性の家にかつて下宿していた弁護士は、彼女の弁護を試みるうちに、彼女の本当の目的に気づく。表題作「満願」ほか、人間の弱さや愚かさを描いたミステリー短編集。

引っ越してきた少女は、未来を予言する弟が気になり町の未来視伝説を調べる―米澤穂信『リカーシブル』

あらすじ・概要 家庭の事情で母と弟と引っ越してきた越野ハルカは、弟のサトルが未来を言い当てるような言動をしていることに気付く。この町には、タマナヒメという予言をする女性の伝説があるらしい。タマナヒメについて調べ始めたハルカは、大人たちの思惑…

垣間見えた古典部メンバーの未来―米澤穂信『いまさら翼といわれても』

今日の更新は、米澤穂信『いまさら翼といわれても』です。 あらすじ・概要 合唱祭に出る千反田えるがいなくなった。しかも、彼女はソロパートを歌うという。伊原摩耶花からかかってきた電話によって、折木奉太郎はえるの行方を探す推理を始める。奉太郎がた…

ホータロー、走りながら推理する 米澤穂信『ふたりの距離の概算』感想

久しぶりの古典部シリーズです。ちんたら読んでいるけれど、間をおいても結構設定を覚えているからありがたいです。 楽天koboで買ったもの。 あらすじ 新年度になり、新入生の勧誘をしなければならなくなった古典部の面々。新入生が一人入ってくるが、マラソ…

ユーゴスラヴィアからやってきた彼女が帰る場所は 米澤穂信『さよなら妖精』感想

久しぶりに米澤穂信を読みました。 この人の描く小説の結末はだいたい辛くなるんですけど、今回もすごくつらかったです。読み終わってしばらくゾンビのようになっていました。 あらすじ 主人公は雨宿りをしていたユーゴスラヴィア人、マーヤと出会う。友人と…