ブックワームのひとりごと

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アイルランドで、身勝手で色ボケした男どもに女性が苦しむ―『ローズの秘密の頁』

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ローズの秘密の頁(字幕版)

 

あらすじ・概要

聖マラキ病院で過ごすローズの元に、精神科医がやってくる。彼女は自らの生まれたばかりの息子を殺したが、「いつか息子が迎えに来る」と主張していた。精神科医は、聖書に書かれたローズの手記を読み始める。そこには、ローズの今までの人生が記されていた。

 

めちゃくちゃ男が身勝手な話

Primeビデオで視聴。

男性の描き方がめちゃくちゃ邪悪なので男性の方は見るのがつらいかもしれません。

ローズは魅力的な女性で、たびたび男性に言い寄られ、トラブルに巻き込まれます。男性が勝手に誘惑されることから「色情症」というレッテルを貼られてしまいます。しかしローズ自身は一途な女性です。

ローズに「貞淑であれ」と強いながら、同時に「自分とはセックスしてほしい」と望む男ども。ローズには地獄すぎます。

これを見ていると、「貞操観念」というのも女性を縛る鎖だと感じます。

 

そしてローズを色眼鏡で見たまま、彼女の本当の苦しみを理解せず、「精神疾患」として病院に閉じ込めようとする周囲の人々。無理やり病院に連れていかれなければ彼女は本当の意味で狂うことはなかったと思うとやりきれないですね。病院側も悪気があるわけじゃなさそうなのがなおつらいです。

 

時代背景にわからないことが多かったですが、他の人のレビューを見ていろいろ参考になりました。

当時のアイルランドでイギリス軍の兵士になることは、褒められたことではなかったようです。だからマイケルはあれだけ批判や暴力にさらされていたんですね。

そして前述した異様なほどの貞操観念は、キリスト教に由来するもののようです。怖い。

 

オチ自体は「そんな偶然ないだろう」と突っ込みたくなるものでしたが、ローズの今までの苦しみを思うと、こんな救いもあっていいかなと思いました。

ローズの秘密の頁(字幕版)

ローズの秘密の頁(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 
ローズの秘密の頁(吹替版)

ローズの秘密の頁(吹替版)

  • 発売日: 2018/09/20
  • メディア: Prime Video