あらすじ・概要
日系ブラジル人を家族に持つ著者は、彼らのことを知ってもらいたいと日系ブラジル人たちの歴史を語る。棄民に等しい政策でブラジルにやってきた彼らは、ブラジルの自然や文化の違いと格闘しながら暮らしていた。出稼ぎのつもりだった一世たちはやがて、ブラジルに骨を埋めざるをえなくなった。
出稼ぎたちが帰りたくても帰れなくなったわけ
最初は出稼ぎとしてブラジルにやってきて、「ここで稼いだら故郷の日本に帰りたい」と思っていた日系人たち。彼らがブラジルに定住するまでの歴史を語ります。
最初は出稼ぎ目的だったのが、ブラジルで結婚をし子どもが生まれ、今更日本に帰っても新しく仕事を始めるのは困難。ブラジルでの生活に適応した二世三世を引き連れて日本には帰れない……。と一世たちの心の変化が切なかったです。
移民二世たちも、「いつか日本に帰るときのために」日本人としての教育を受けていたため、「日系ブラジル人」のアイデンティティを確立するために苦労をしました。ブラジルで暮らしていくためには日系人の文化に閉じこもって暮らしていくことはできなかったのです。
よそ者でマイノリティだった日系人たちが多民族国家ブラジルを構成する民族のひとつとして存在を認められる過程は、苦しいけれど勇気づけられるものでもありました。
歴史とともに著者の日系ブラジル人家族がどんな苦労をしてきたのかも語られます。日本でいじめを受けているという話は生々しくてつらいですね。
自分の意志で日本に来た大人はともかく、住む場所を選ぶことのできない子どもにこの仕打ちはひどいです。
違う歴史を背負った人を違うまま受け入れる行為が、うまくない人が多いのだろうと思いました。
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